100万年前のマンモス標本からDNA シベリアで出土

米山正寛
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 シベリア北東部で出土した100万年以上前のマンモス標本からDNAが抽出された。DNAの塩基配列がわかった最も古い動物は56万~78万年前の馬とされていたが、それを上回る古さとなる。スウェーデンを中心とする国際研究チームが17日付で科学誌ネイチャーに発表した。

 研究チームが調べたのはマンモスの臼歯3点。見つかった地層の堆積(たいせき)層の年代に基づいて、3点のうち2点は100万年以上前のものと考えられた。さらに細胞中にあるミトコンドリアのDNAを解析し、2点は約165万年前と約134万年前のもの、もう1点は87万年前と推定された。

 これらの年代が正しければ、解読されたDNAとしては最古のものになる。永久凍土の中から発見されたという条件が幸いして、DNAが分解されずに保存されてきたとみられるが、DNAの量は少なく細かい断片になっていた。

 得られたDNAなどをもとに系統関係を調べると、この時期のシベリアには2系統のマンモスが存在していた可能性があった。研究チームは「1種類のマンモスだけがいると思われてきた時期なので大変驚いた。まだ確実とはいえないが、2種いたとみるべきかもしれない」としている。

 2系統の一つはシベリアなどに最後まで生き残ったケナガマンモスにつながる系統で、もう一つはこれまで知られていなかった系統だった。後者は、その後に北アメリカに進出した最初のマンモスの祖先とみられ、ケナガマンモスの系統との交雑を経験しながら、北アメリカ独自のコロンビアマンモスに進化したと考えられた。

 論文はこちら(https://www.nature.com/articles/s41586-021-03224-9別ウインドウで開きます)で読むことができる。(米山正寛)