Zoom面接に在宅筆記 緊急事態宣言下で佳境の入試

緊急事態宣言

花房吾早子
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 多くの大学が集まる東京や大阪、京都など10都府県への緊急事態宣言が続く中、受験シーズンが山場を迎えている。新型コロナウイルスの感染リスクを減らすために、各校は自宅での筆記試験やオンライン面接、日帰りで済むよう開始時間を遅らせるなどの工夫を凝らす。(花房吾早子)

 「Zoomを利用したオンライン面接に変更します」。立命館大情報理工学部は1月21日、ホームページで、情報システムグローバルコースの入試面接をオンラインに切り替えると発表した。

 当初は東京か大阪のキャンパスで面接するはずだった。試験日は3月6日で変更ないが、なりすましを防ぐため、面接が始まる前に受験票を画面越しに示してもらい、名前と受験番号を照合。一人で受けているかどうか確認するために、本人にカメラで室内をぐるっと見せてもらったり、バーチャル背景を使うことを禁じたりと、オンラインならではの決まり事も。同学部入試係の担当者は「不正行為がないかしっかり見ていきたい」と話す。

 筆記試験でも新しい形が生まれた。東京国際大(埼玉県川越市)は、首都圏以外に住む受験生を対象に2月5日、会場か在宅かを選べる形で試験をした。在宅の場合、会場の試験開始時刻になると、パソコン上のURLから試験問題のファイルが開けるようになる。詳細は明かされていないが、問題を開くと不正防止のシステムと連動し、インターネットで検索したり画面から視線を外したりすると検知される。

 在宅を選んだ受験生は全体の1割に満たず、同大入学センターの担当者は「想定よりかなり少なかった」と言う。事前に接続テストをした際、回線の影響で通信速度が遅かったり、パソコンの機種が対応していなかったりして、在宅を諦めた受験生もいた。都内に1週間ほど滞在して複数の大学を受ける受験生も多く、1校だけ在宅で受ける利点を感じないという声もあったという。在宅方式は、3月にも2回、機会を設ける予定にしている。

 例年、8割以上が県外から受験する公立諏訪東京理科大(長野県茅野市)は、日帰り受験が可能なように試験の開始を午前から午後に変えた。教務・学生支援課は「前泊すれば、夕食や朝食時などに感染リスクが増す」と説明する。さらに2月26日の前期日程では、数学を120分から90分に、理科を90分から70分に短縮した。「大人数が同じ場所にいる時間を短くするため」という。

 地方自治体では、都市部と行き来する受験生や家族、周囲の人々の不安を減らす試みも進む。

 鳥取市は、県外の大学などを受ける市内に住む受験生と受験に付き添う人を対象にPCR検査費を助成している。2月5日から申請の受け付けを始めた。

 2~3月に1回5千円を超える検査を受けた場合、最大2万円を助成する。受験生の保護者らから要望があり、約6300万円の補正予算を計上した。市政策企画課の担当者は「地元に戻った後の日常生活を心配せず、受験に臨んでほしい」と話している。

 県外の大学へ進学する人の割合が65%を占める福井県では、県外で受験する高校生に対し「現地での移動は受験会場と宿泊先の間だけに」「2週間は体調管理や感染防止対策を徹底すること」などと呼びかけている。県教育委員会が昨年12月、各校に通知を出した。高校教育課の担当者は「自分も周りも感染しないことが大切。すでに気をつけていると思うが、念押しのために伝えている」と話す。