直面課題は観客数と聖火 「橋本新会長は早速、力を…」

前田大輔
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 東京オリンピック(五輪)・パラリンピック大会組織委員会の新会長に18日、橋本聖子氏(56)=同日付で五輪相を辞職=が就任した。大会開幕まで5カ月あまり。新型コロナウイルスの収束が見通せず、開催への懐疑論が広がるなか、森前会長の女性蔑視発言も加わり、大会への機運はしぼんでいる。

 「安全で安心な大会に向け、新会長は国内外に発信してもらう必要がある。早速、大変な仕事だ」と組織委幹部は気をもむ。

 組織委会長の大きな仕事の一つは、国際オリンピック委員会(IOC)や政府、東京都、スポンサーなど、時に利害が対立する関係者間の調整にあたることだ。直面する課題として、本番での観客数、聖火リレーの2点がある。

 観客数については、本来ならIOC、政府、東京都、組織委の4者トップは17日、新型コロナ対策も絡めて協議する方向で調整していた。しかし、「森会長の発言で全部飛んだ」(別の組織委幹部)。橋本新会長のもとで仕切り直しとなる。

 政府は観客の上限や海外からの観客を入れるかの判断を春までに行う予定で、もし観客を間引いたり無観客にしたりする場合は、組織委の900億円を見込む収入が目減りする。その場合、橋本新会長は都や政府に追加出資を要請しなければならない可能性がある。

 3月25日に福島県からスタートする聖火リレーでも、自治体との調整を急ぐ必要がある。組織委は感染防止のガイドラインの素案は示しているものの、自治体からは不満もあがる。17日には、島根県の丸山達也知事が「県内の聖火リレーの中止を検討する」と表明した。組織委の中村英正・開催統括は「自治体には具体的な防止策を近々に説明する」と話す。

 大会関係者によると、聖火リレーをめぐる日程策定などでは、森前会長の力が大きかったという。この関係者は「橋本新会長は早速、力を発揮しなければならない」と語る。(前田大輔)