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 鳥取県倉吉市の中心市街地で、店舗や寺などにアニメキャラクターなどの人形「フィギュア」を展示する取り組みが民間主導で進められている。市内外から人を呼び込み、にぎわいのある街「フィギュアのまち倉吉」にするのが目的だ。

 中心市街地の観光スポット・白壁土蔵群の観光案内所。入って左側の棚に「鬼滅の刃」「刀剣乱舞」のキャラクターなど約20体のフィギュアが置かれている。倉吉市は国宝の刀をつくった刀匠「伯耆安綱」ゆかりの地とされている。

 観光案内所から東へ徒歩数分。曹洞宗の寺・大岳院には、仏像フィギュアが約10体。「まちづくりになるなら」と住職の中村見自(けんじ)さん(71)が展示に理解を示した。所蔵の四天王像を背後に置き、フィギュアともども「拝めるようにしています」。すぐ横には犬のフィギュアも。大岳院は「南総里見八犬伝」のモデルになったと言われる里見忠義公と家臣の墓所がある。

 さらに東へ徒歩十数分の県立倉吉未来中心。ダビデ像や考える人、画家ムンクの「叫び」などのフィギュアが並ぶ。隣接する市営ラグビー場に県立美術館ができることを踏まえた。

 この3カ所を含め8カ所にフィギュアが置かれている。展示場所ごとにテーマが決められ、それに沿ったフィギュアが置かれている。3月までにもう3カ所増える予定だ。

 展示のフィギュアは、主にフィギュアメーカーのグッドスマイルカンパニー(東京都)と、同業の海洋堂(大阪府)など国内外4社から提供を受けたり、購入したりしている。

 この活動を進めているのは、「フィギュアのまち倉吉を創る会」(会長=倉都祥行・倉吉商工会議所会頭)。倉吉市中心市街地活性化協議会が専門部会として、昨年10月に設立した。グッスマ社もその一員で、市が補助金を出すなどして支援している。

 きっかけは、活性化にフィギュアを生かせないかという声が市内の会社役員から上がったことだったという。その背景には、グッスマ社が2014年、国内初の工場「楽月工場」を市内に整備し、倉吉のまちづくりに関わってきたこと、18年に円形劇場くらよしフィギュアミュージアムが中心市街地にできたことがある。「フィギュアは倉吉ならではの地域資源」(創る会)と位置づけている。

 創る会は設立後、まずはハード整備と考え、11カ所にフィギュアを展示することにし、昨年12月、設置作業に着手した。11カ所は東西に並ぶ円形劇場と白壁土蔵群、倉吉未来中心と、それらの近辺だ。歩いて回遊し、街を楽しんでもらおうとのねらいがある。

 創る会幹事でグッスマ社楽月工場の松田謙治さん(41)は「『まちなかミュージアム』をつくります。伝統的な建造物があり、昔ながらの雰囲気が感じられる倉吉の街を多くの人に知ってもらい、何度も訪れる倉吉ファンを増やすきっかけにしたい。将来的には、イラストなどフィギュア以外の展示をする場所も増えればと思っています」。

 来春以降、ソフト整備も始める予定だ。具体的には、展示場所にスタンプを置き、スタンプラリーを実施▽フィギュアや刀などの制作体験▽フィギュアに関する講演会開催、などを考えている。(石川和彦)

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