[PR]

 大正期から1980年代にかけて、愛知から米国や欧州に陶磁器製人形「瀬戸ノベルティ」が盛んに輸出されていた。その老舗メーカー「テーケー名古屋人形製陶」(瀬戸市、加藤範主(のりちか)社長)を在名古屋米国領事館のゲーリー・シェイファー首席領事が訪問。文化交流を支えたものづくりの「いま」を知り、「感動した」と話していた。

 シェイファー氏は、海外展開を試みる日米の中小企業を支援したいと、東海地方のものづくり企業の視察を続けている。マリリン・モンローやエルビス・プレスリーを題材にした陶磁器製のウイスキーボトルを見て関心を持ち、「瀬戸ノベルティ文化保存研究会」代表の中村儀朋(よしとも)さんの案内で、16日に同社を訪れた。

 加藤社長が、原型に粘土を流し込んで人形のパーツを作る作業から、素焼き、絵付け、焼成まで、製造の流れを説明。絵付けの工程では、同社の最新作「鉄腕アトム」の顔を描く様子を見学した。

 磁器でレースを再現するレースドールや、戦後の名古屋を代表する土産品だった「名古屋人形」などで同社は高い技術を誇り、80年代までは米国などへの輸出をメインにしていた。米国で人気があったフランクリン・ミント社やノーマン・ロックウェル社の製品も製造していた。

 今は手塚プロダクションが監修する鉄腕アトムの陶器人形のほか、ディズニー・キャラクターやテディベアのものも手がけている。

 加藤社長は、「磁器製の鉄腕アトムが2本の足で立ち、片手を挙げる姿にするには、特別な技術力が必要。新しいことに挑戦し、付加価値の高い製品をつくっていきたい」と語る。

 「米国で創造されたキャラクターが日本の技術で人形として製造され、米国の家庭で使われてきたことを知った。(私の)コロラドの実家を探せば、瀬戸ノベルティが見つかるはず」とシェイファー氏。「日米の文化・経済交流そのものであり、このストーリーをもっと多くの人に知ってもらいたい」と話した。(鈴木裕)

関連ニュース