対面できないピンチをチャンスに 中小企業の挑戦

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松浦新
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 コロナ禍が長引き、多くの中小企業の経営は厳しい。もともと営業力や資金面が弱く、顧客減が直撃している。そんななか、対面でのサービスができなくなったピンチをチャンスに変える動きがある。オンライン化で営業範囲を広げようという試みだ。従業員の働き方も変えるため簡単ではないが、中小企業の生き残り策の一つとして注目される。

 子ども向けプログラミング教室を展開する「スマイルミー」(さいたま市)は昨年3月以降、教室での授業やイベントを開くことができなくなった。

 もともとはコンピューターグラフィックスを使ったデザインの会社だった。プログラミング教育が小学校で始まるのを見据え、4年前に教育事業を始めた。昨年3月時点で教室は埼玉県内に14あり、小学校での授業も10以上受託する予定だった。事業を広げていたところに、感染拡大の影響を受けた。山口勇太社長は「本当に危機的でどうしていいかわからなくなった」とふりかえる。

 昨年の4、5月は売り上げがゼロになるまで追い込まれた。なんとか生き残ろうと挑戦したのがオンライン授業だった。プログラミング教育事業はオンライン化しやすそうに思われるが、実際は大変だった。

 それまで紙を前提にしていた教材のデジタル化や、授業を撮る機材も必要になった。先生が生徒に直接指示できる教室での授業より手間もかかる。オンラインの画面に映る生徒たちが内容を理解しているのかどうかもわかりにくい。それぞれの顧客の家庭ごとに、ネットの通信環境やパソコンなどの機器も異なる。

 環境整備などを進め、昨秋からオンライン授業を本格的に始めた。ほぼ毎日開くようにし、生徒たちは自宅から受けたい授業を選ぶ。グループレッスンは基本的に90分2500円、マンツーマンの場合は45分2500円だ。

 オンライン授業がいったんまわりはじめると、予想外のメリットがあった。それまで埼玉県内がほとんどだった生徒が、世界中から集まってきたのだ。海外に赴任している日本人の家族が、ネットでサービスを見つけて会員になってくれた。英語による授業もしていたことで、外国人の子どもたちも入ってくれた。昨年3月時点で約300人だった正規会員は約450人に増えた。山口社長は「オンライン化で新しい扉が開いた。起業時の目標だったグローバル化もできた」と喜ぶ。

打ち合わせの効率が2倍に

 コロナ禍が事業拡大のきっか…

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