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 高校野球の延長タイブレーク制が、唯一の例外だった決勝でも適用されることになった。同制度が導入されて3年。日本高校野球連盟が健康第一の改革を進める中では、ごく自然な流れと言える。

 導入当初は甲子園出場がかかる夏の大会でタイブレーク制は非情だという現場の声が少なくなく、せめて最後の決勝は外そうということになった。一方で、投手が疲れている決勝こそ、引き分け再試合を避けるべきだという意見もあった。

 導入後、昨年からは1週間500球という投球数制限もできた。「決勝が引き分けになれば、500球を超えて再試合に投げられない投手が出るだろう。かえって非情になる」と東日本のある県高野連理事長は語る。「当初はタイブレーク反対だったが、前に進めるしかない。いずれは十回からスタートしようという流れになるのではないか」

 西日本のある理事長も「投球数制限、白スパイク解禁と、連盟は選手の体目線で改革を進めている。もう心情を優先するわけにいかない」と言う。

 この1年を振り返ると、健康であること、試合ができることに感謝する日々でもあった。昨夏の独自大会では日程緩和や登録選手の入れ替えなど、各都道府県が例年にない工夫をした。その中にも新たなヒントがありそうだ。

 投球数制限の検証も始まる。健康第一の高校野球。改革の流れを確かなものにしていきたい。(編集委員・安藤嘉浩

球数制限検証へ

 日本高校野球連盟は19日、投手の健康を守るために昨春から始めた「1週間500球」の投球数制限について、効果や妥当性を検証するためのワーキンググループを発足させたと発表した。メンバーは正富隆氏(行岡病院副院長、日本高野連医科学委員)をはじめ、整形外科医や大学教授ら14人。「試行期間」と位置づけた2022年までの3年間でデータを集めて分析し、障害予防の前進をめざす。

メンバーは以下の通り(敬称略)

正富隆(行岡病院副院長・日本高野連医科学委員)

鳥塚之嘉(武庫川女子大学教授・日本高野連医科学委員)

渡辺幹彦(東京明日佳病院名誉院長・全日本野球協会医科学部会長)

門間太輔(北海道大学病院スポーツ医学診療センター助教)

高橋博之(気仙沼市立病院整形外科医長)

田鹿毅(群馬大学医学部保健学科リハビリテーション講座准教授)

宮崎剛(福井大学医学部器官制御医学講座整形外科科学領域講師)

岩堀裕介(あさひ病院スポーツ医学・関節センター長)

木田圭重(京都府立医科大学整形外科助教)

島村安則(岡山大学病院整形外科運動器スポーツ医学講座准教授)

松浦哲也(徳島大学整形外科特任教授)

帖佐悦男(宮崎大学医学部整形外科教授)

小柳磨毅(大阪電気通信大学教授・日本高野連医科学委員)

※統計専門家1名も参画予定