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 自分の空間がほしい、ウイルスをいれたくない――。コロナ禍で広がるテレワークや衛生意識の高まりを背景に、住空間に求める人々の要望が変わってきた。新たな需要を取り込もうと企業も動く。

 プロダクトデザイナー冨岡陽一郎さん(37)は、東京都江東区の分譲マンションに妻、長男(6)、次男(4)の4人で暮らす。

 広さは55平方メートルで1LDK。冨岡さんは昨年4月の緊急事態宣言で在宅勤務となり、家族との時間が増えて良かった半面、距離の近さに悩むようになった。海外にいる相手と夜に会議をすることも多く、子どもが騒々しいリビングでは、仕事に集中できないでいた。

拡大する写真・図版クローゼットをワークスペース仕様に。棚を机にして、キャンプ用のランタンを電灯に使っている=冨岡さん提供

 「ここしかない」とウォークインクローゼットに目をつけた。中の服や本を処分し、キャンプ用のランタンと椅子を持ち込んでワークスペースを確保。机の代わりに棚を利用している。冨岡さんは「働く環境はベストとは言えない。試行錯誤の毎日です」と話す。

拡大する写真・図版クローゼットを急きょ、ワークスペースに変更した。椅子を持ち込んで棚を机にした=冨岡さん提供

 ミサワホーム総合研究所(東京)が昨年6月、20~69歳の男女824人に在宅勤務での困りごとをウェブアンケートで聞いたところ、「仕事に適した部屋がない」が最も多かった。

 「コロナ対応」はリノベーション(大規模改修)にも影響を与えている。沖縄県の看護師女性(33)は中古物件を購入し、1200万円かけて改修した。玄関を少し広くとり、入ってすぐに洗面台を設置した。

 6歳、3歳、0歳の子どもがいる。女性は「子どもが家に帰ってあちこち触る前に手を洗い、できるだけウイルスを持ち込まないようにしたかった」と話す。来客時も助かる。「洗面所に案内をしなくてもいいので、お互い気を使わない」

 改修を担当したリノベーションサービス「リノベる。」(東京)によると、玄関前の洗面台や、ワークスペースをつくりたいという要望が、コロナ前と比べて増えているという。

拡大する写真・図版リクシルが販売する「どこでも手洗」。玄関先につければ、外からかえってすぐに手洗いをすませられる=同社提供

 住宅設備大手LIXIL(リクシル・東京)の小型洗面「どこでも手洗」。昨年3月から販売しているが、担当者は「玄関につけ、洗面所に行くまでに手を洗いたいというニーズがでてきた。当初計画していた出荷台数を上回っている」と話す。

 住宅情報サイト「SUUMO」の池本洋一編集長は「今の一般的な間取りでは、今後も広がるだろう『職住融合』に対応できていない。テレワークと感染抑止の観点から住まいの選び方は変わる」とみる。2畳でも個別空間がある間取りの希望が増え、換気の良さなども重視する動きがあるという。

 場所も「密」を避ける傾向がみられる。郊外の戸建てがよく売れるといい、商業施設などが集積している人気の駅の隣駅で物件を探す人が増えているという。

 新築では、ワークスペースや換気の良さ、非接触で利用できる宅配ボックスなどを売りにした物件が相次いでいる。

 三井不動産レジデンシャルなど…

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