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 新型コロナウイルスの起源をめぐり、世界保健機関(WHO)による中国・武漢での調査を率いたピーター・ベンエンバレク団長は18日、輸入冷凍食品を通じてウイルスが国外から中国に持ち込まれ感染が広がったという説について、今後の調査対象として「検討していない」と述べた。

 輸入冷凍品を通じて海外からウイルスが中国に入った可能性については、中国政府などが唱えてきた。WHOの調査団は武漢での調査を終えた9日の会見で、冷凍食品に付着したウイルスから感染が広がった可能性も検証対象の一つだと説明。調査団が中国側の主張に沿う見解を示したことに米欧などから疑問や懸念の声が出ていた。

 この点についてベンエンバレク氏は18日のオンライン会見で、感染拡大初期の2019年12月当時、「ウイルスは世界中に広がっておらず、世界の食品工場で大規模な感染発生はなかった」と指摘。「この(海外)ルートを介してウイルスが中国に輸入されるという仮説や考え方は、私たちが検討しているものではない」と明確に否定した。

 一方、ベンエンバレク氏は「中国南部で飼育され、製造された動物の冷凍品の地元での取引に焦点を当てている」と述べ、中国国内の冷凍品の取引に注目していることを強調した。世界で最初の集団感染が確認された華南海鮮卸売市場では当時、多くの冷凍品が取引されていた。(ロンドン=下司佳代子)