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 香港の昨年末時点の人口が、前年より0・6%少ない747万人となり、1961年に統計を取り始めてから最大の落ち込みとなった。コロナ禍による流入の減少に加え、香港国家安全維持法(国安法)の施行で外国への移民が増えたことなどが背景にありそうだ。

 18日発表の政府統計(速報値)によると、昨年末の人口は前年から4万6500人減少した。人口が減ったのはアジア経済危機後の景気悪化が続いていた2002年に続き2度目。

 少子高齢化が進む中での自然減もあるが、最大の要因は人の流れの変化だ。昨年はコロナ禍で外国や中国本土からの移動を制限したため流入が1万人余りにとどまった一方、流出が約5万人に達した。香港紙明報によると、政情や治安の悪化や国安法施行を受け、台湾や欧州などに移民申請した市民が約1割増加した。民主派の弾圧で自由に香港を出入りできなくなることを心配する人が増えているといい、同紙は、経済力のある市民が移民を目指す状態は政府への「警告」だと指摘。香港の経済の活力が失われるとの専門家の見方を伝えている。

 英紙タイムズによると、香港が中国に返還される97年より前に生まれた市民が英国での市民権を取得しやすくなる特別ビザの申請は、1月末の受け付け開始から2週間で5千人近くに達した。英政府は今後5年で、30万人前後が申請してくると予測している。(広州=奥寺淳)