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肺がん疑い見落とし治療5年超遅れ 名大病院、患者死亡

山野拓郎
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 名古屋大学病院(名古屋市昭和区)は19日、医師が画像診断の結果を見落としたために肺がんの診断・治療が5年9カ月遅れ医療ミスがあったと発表した。患者は見落としから8年4カ月たった昨年3月に死亡した。

 病院の説明によると、患者は愛知県在住の男性。頭部の動脈炎で名大病院総合診療科を受診していた2011年11月、放射線科医が胸部CT画像を確認した際、小さな影を発見し「肺がんの疑い」と画像診断リポートに記載した。主治医はリポートを電子カルテにコピーしたが、がんについての記述を見落とした。男性は15年まで通院を続けたが、がんについての検査は行われなかった。

 男性は17年に背中の痛みを訴えて同病院循環器内科を受診。同年9月に肺がんと診断されたが、その時点でがんはステージ3まで進行しており、手術は不可能な状態だった。男性は20年2月に他の病院の緩和ケア病棟に移り、同年3月に死亡した。

 名大病院では、画像診断の結果を見落として治療が遅れ、その後患者が死亡した事例が2015~20年に今回の事例を含めて5件あった。電子カルテ上に未読のリポートがあった場合にアラートが作動する機能を付けるなどの再発防止対策を取ったという。(山野拓郎)