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 戦国武将の真田氏が上州の拠点とした山城があった岩櫃山(いわびつやま、802メートル)のふもとに、民間の「岩櫃真田忍者ミュージアム」=群馬県東吾妻町原町=が1月末に開館した。

 「おー、すごい。鎖鎌(くさりがま)がいっぱいだ」。家族連れが声をあげた。農具の鎌に鎖や分銅を付けた武器だ。

 忍者といえば手裏剣。十字形や星形、折りたためるものも。手の内に忍ばせた武器は投げて突き刺す。忍者が逃げる時に使う「撒菱(まきびし)」には、先端に釣り針の「返し」のような突起が付いたものもある。毒も塗ったという。これを踏んだら戦意喪失どころか命の危険もあっただろう。

 石造りの倉庫に展示した忍者の道具類は約300点。侵入用の「鈎縄(かぎなわ)」、煙管(きせる)に暗殺道具を仕込んだ「仕物(しもの)」などもある。前橋市の収集家山岸賢司氏が50年かけて集めたコレクション。2019年夏、忍者で街おこしをしている「岩櫃城忍びの乱」(斉藤貴史代表)と、町内で展示会をしたところ好評を博した。

 山岸さんは昨年1月に急逝。忍者道具を預かっていた斉藤さんは「山岸さんは多くの人に見てもらいたかったと思う」と、合同会社を設立し、常設の展示を始めた。

 町のシンボル岩櫃山の中腹にある岩櫃城跡は、19年に国の史跡になった。険しい山道を登り、たどり着いた本丸跡は、冷たい風が吹いていた。戦国大名の攻防の舞台裏で、知られざる忍びたちの活躍があったのかもしれない。(柳沼広幸)

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 〈岩櫃真田忍者ミュージアム〉 愛称「にんぱく」。群馬県東吾妻町原町のJR吾妻線群馬原町駅南側。2月末まで無料。開館は午前11時~午後4時。戦国時代の風景などを映すプロジェクションマッピング、子どもの忍者体験コーナーを整備し、有料化の予定。問い合わせは斉藤さん(080・6708・5431)。

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