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 世界有数の抗精神病薬メーカー「大日本住友製薬」(大阪市)が、精神障害者が働きやすい仕事づくりに取り組んでいる。3年前の制度改正をきっかけに精神障害者を雇う機運が高まったものの、職場になじめず短期間で辞めてしまう人は多い。生きがいをもって長く働ければ、薬に頼りすぎない生活ができるかもしれない。どんな仕事や働き方ならよいのか。考え抜いた先が、都心での農業だった。

拡大する写真・図版ココワークの水耕栽培施設「江坂ファーム」のガラス温室=2021年1月26日午前10時20分、大阪府吹田市、井東礁撮影

 JR新大阪駅から地下鉄で北に2駅。大阪メトロ江坂駅からほど近い場所に、テニスコート2面分ほどの温室がある。大日本住友が研究開発拠点の一角につくった野菜工場だ。障害者雇用を進めるために設けた特例子会社ココワークが2019年から運営している。

 中に入ると、水耕栽培用の棚一面に鮮やかな緑が広がる。精神障害がある6人が中心となり、フリルレタスやルッコラ、ホウレン草など13種類を育てている。地元のスーパーやレストラン、高級ホテルに卸し、ネット通販でも売っている。

拡大する写真・図版関西スーパー江坂店の野菜売り場で販売されている「ココワーク」の野菜=2021年2月17日午後5時0分、大阪府吹田市豊津町、井東礁撮影

 契約社員の女性(38)にとって、ここが人生初の職場だ。16歳で双極性障害(そううつ病)を発症し、大学卒業後は自宅などで療養してきた。就労移行支援事業所の紹介でココワークを知り、昨年1月から働き始めた。最初は不安だらけだったが、毎朝の体調チェックや上司の「声かけ」のおかげで、安定して働けるようになった。

 女性は「仕事ってスポーツみたい。みんなで協力して工夫して、効率があがった時はやっぱりうれしい。農業はきついイメージもあったけど、水耕栽培なら体力に自信がなくても参加しやすいことがわかりました」と笑顔で話す。

 飲食店の勤務時代にうつ病を発症した男性(36)も、1年前から働いている。いまは他の契約社員と同様に、昼休憩の1時間を含み、午前8時から午後3時まで働く。「通勤も便利で働き過ぎないように配慮してくれている。体調面も大崩れすることなく働けています」

障害者の中でも低い定着率

 企業や団体は障害者雇用促進法に基づき、一定の割合の障害者を雇わなければならない。身体や知的障害をもつ人に加えて、18年4月からは精神障害がある人も、雇うべき対象になった。

 全国で精神障害者の雇用は広が…

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