ハッピーバースデー #コロナを生きる言葉集
#コロナを生きる言葉集
ハッピーバースデー(独り病院で迎えた誕生日、聞こえてきた看護師の合唱。兵庫県の会社員、前川真一郎さん)
「今ならええか」。昨年11月、新型コロナウイルスに感染した前川さんは、ゴルフコンペを開き、友人17人と鍋を囲む宴会をした。
翌日から次々に感染が判明。「まさか自分がなるとは」。入院後、高熱が続き、呼吸が苦しくなってくる。陸でおぼれているような状態になり、恐怖で眠れなかった。ICUに入るとき、「助かりますよね?」と問うと、看護師は「がんばりましょう」とだけ言った。会えぬ家族に「死にそう」とメッセージを送った。
なんとか一命をとりとめ、一般病棟に移って迎えた誕生日のこと。廊下から「ハッピーバースデー」の歌声が響いてきた。看護師4~5人によるサプライズに涙がこぼれた。「忙しいのに、こんなことまで」
病室の窓から見えるドクターヘリ。「コロナ患者がどんどん増えて、他の病気の入院患者を別の病院に移送している」と聞かされた。申し訳ない気持ちでいっぱいになった。
退院後、自分を助けてくれた医療関係者のために何かしたいと悩んだ末、感染体験を積極的に周囲に話すことにした。
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誰もが経験したことのない日々が続いています。様々な立場、場面の言葉を集めます。明日に向かうための「#コロナを生きる言葉集」。

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