40歳松本400試合へ おとりで跳び続ける訳 V1堺

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木村健一
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 バレーボール界のレジェンドが、40歳で節目となるレギュラーシーズン通算400試合出場を迎える。Vリーグ1部・堺のミドルブロッカー(MB)松本慶彦は、53歳のJリーガー三浦知良や45歳まで大リーガーだったイチローのような存在だ。最も多く跳ばねばならない過酷なポジションで、これだけ長く一線で活躍できるのはなぜなのか。ひざの水を抜く注射を打ちながら、なぜ跳び続けるのか。

拡大する写真・図版堺の松本慶彦=堺ブレイザーズ提供

 「まだやってるねえ」

 松本が、今季リーグ首位のサントリーを率いる山村宏太監督と試合会場で会うと、決まってこう言われる。2人は同学年で、2008年北京五輪をともに戦った仲だ。山村監督は現役時代にVリーグで通算352試合に出場し、36歳で引退した。

 松本はいつも笑って返す。

 「そりゃやるよ!」

 松本が務めるMBのポジションはクイック攻撃を担う。スパイクを打つよりも、相手ブロックの気を引くおとりになる回数がずっと多い。「打たないのに跳ばなきゃいけないのは、つらいところ。でも、全力で跳ばないと意味がない。相手を引きつければ勝ち」

 おとりのジャンプの後は、スパイクを打つ選手のカバーへ。ブロックでは核として左右へ跳ぶ。跳躍力や持久力が求められるMBでレギュラーの座を守り抜き、今季も開幕から全25試合に出場している。

毎週ひざに注射

 豪雪地の長野県戸隠村(現・長野市)出身。スキーインストラクターだった父のもと幼い頃からアルペンに打ち込んだ。足腰が鍛えられ、バランス感覚も養われたという。中学でバレーを始め、スキー部と掛け持ちした。

 バレーに専念した長野・岡谷工高で全国制覇し、中央大を経て04年、NECでデビューした。「ベスト6」と「スパイク賞(アタック決定率)」に3度ずつ輝き、12~13年シーズンには堺のリーグ優勝に貢献。19年11月に山村の記録を抜き、歴代単独最多の通算353試合出場を達成し、その後も記録を伸ばしている。20日、399試合となった。

 身長は193センチ。長い腕も生かし、最高到達点はいまでもチームで3番目に高い350センチを誇る。自己ベストだった大学4年時から8センチしか落ちていない。しかし、ジャンプで消耗したひざは変形性関節症を患い、腰は分離症を抱える。毎週、病院に通ってひざに注射を打つ。

拡大する写真・図版堺の松本慶彦=堺ブレイザーズ提供

妻の言葉で現役続行

 「ここで終わってもいい」と…

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