渋谷や池袋で看板・ビラ配り 「栃木ゆかり飲み」人気に
栃木出身者や栃木ゆかりの人たちが集まって交流する飲み会「栃木ゆかりのみ」を、2015年から開いてきた。
飲み会は23回、参加者は延べ約800人。コロナ以降はオンラインに場を移し自治体ごとの飲み会を企画した。市町職員も参加し、22市町で盛り上がった。
小山市出身。宇都宮女子高では生徒会長を務めた。「仕切り屋ではなく、使命感を持ったら突っ走るタイプ」と分析する。2時間かけて早大に通い、生物学を学んだ。大学時代は幹事どころか飲み会に参加することもほとんどなかった。
卒業後、通信系企業に就職し、東京で一人暮らしを始めた。本社のある福井県で新人研修をした際、地元出身の同期たちは生き生き楽しんでいた。小山を離れる際の両親や祖父母の悲しい顔を思い出した。「若者たちが多様な挑戦ができる仕事を生み出し、若者が帰って家族のそばで働ける地元をつくりたい」と考えるようになった。
まず手をつけたのが、栃木出身者同士の出会いの場づくり。「栃木ゆかりのみ」を始めた。参加者はSNSや口コミで増えていった。渋谷や池袋の駅前で看板を持ってビラを配って参加を呼びかけた。
17年には交流活動を極めるため、コンサルティング会社「kaettara(カエッタラ)」を立ち上げた。「伴走支援型コンサルティング」を標榜(ひょうぼう)し、自治体と連携しながら人や企業を地域と結びつける事業を手掛けている。
地域と関係性を保ちながら、定期的にその地域を訪れてくれる「関係人口」の創出をめざす。小山市とは3年前からは連携し始め、昨年からはSDGs(持続可能な開発目標)を推進する地域づくりに力を入れている。「つながりづくりに初めは苦労した」というが、群馬県や青森県など県外の有志とも連携が広がってきた。
現在、都内と小山市の2拠点生活を送る。「自治体職員と一緒に学んで、新しい仕組みをつくっていく。地域が変化する機運を高めて、選ばれる地元をつくりたい」(中野渉)
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