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 マスクのひもで耳が痛い――。そんな悩みを抱える人のために広島県呉市の若松信也さん(38)が「マスクバンド」を考案し、春で1年になる。口コミなどで評判が広がり、注文が続々と集まる。

 薄いビニール製で、幅1・5センチ、長さ10センチ(子ども用8センチ)。両端にひもをかける留め具があり、後頭部や首で留めて耳への負担を和らげる。留め具のデザインはバラや星など5種類。色は赤、青、黄色などバラエティーに富む。しなやかな素材で手軽に水洗いもできると人気だ。

 長時間マスクが必要な医師や看護師、眼鏡や補聴器を使う人などから注目され、何種類も買うファンもいる。「100個も売れれば」と始めたが、約8千個を販売。最大2カ月待ちの時もあった。

 本職は、同じ素材でケーキやチョコレートなどの精巧な菓子サンプルを作る職人。大手菓子メーカーなどの顧客を豊富に抱え、工房で製作体験なども行っていた。

 だが、サンプルをショーケースで展示する観光客向けの需要などが新型コロナ禍で激減。「受注ゼロ」の危機に陥った。そんな時、長男の朔太郎君(6)から「耳が痛い」と言われたのを機にマスクバンドを考案。蓄積した技を駆使して妻の桃子さん(35)と試作を重ね、完成した。

 子どものころから模型好きだった。プラモデルメーカーへの就職を目指したがかなわず、「食品サンプルも模型のひとつ」と考えて菓子サンプルのメーカーに就職。2016年に桃子さんの出身地の呉市に移住し、独立した。「『マスクストレス』は長引くばかり。少しでも減らすお手伝いを続けていきたい」(能登智彦)

 呉市本通の食品サンプル製作会社「ハンドワークス レナイン」代表。工房を兼ねる。マスクバンドは1個530円から(税込み、送料別)。問い合わせは同社(0823・89・9213)。

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