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 【愛媛】取りすぎると高血圧や動脈硬化など生活習慣病のリスクが高まり、摂取量が少なすぎても体の機能を維持するミネラルが不足し、健康を害してしまう――。そんな塩について学んでいるのが、松山東雲(しののめ)短期大学(松山市)の食物栄養学科の「塩ゼミ」だ。

 オンラインショップでよく売れている塩製品の味の比較や塩こうじとの違いを研究。健康にちょうど良い「適塩」を目指して、塩の活用方法を学んだり、塩アイスクリームやトマトとバジルを使ったハーブソルトなどの商品開発に取り組んだりしている。

 2年生の大塚茉未(まみ)さん(20)と宇都宮志保さん(21)は「洋風の塩大福」づくりに挑戦した。「従来の塩大福ではなく、若者が食べたいと思う洋風の味にしたいと思った」。大学近くの製菓店の協力も得て、塩ゼミ初の商品化を目指すことになった。

 作業は昨年10月にスタート。大福には、あんの代わりに塩生キャラメルとカスタードクリームを入れることにした。ゼミの研究らしく、異なる味覚が合わさると一方の味覚が強められるという「味の対比効果」が実感できる大福にしようと考えたが、これが難しかった。甘さの引き立て役であるはずの塩の存在感が思った以上に強く、ちょうど良い塩の配分に苦心。素材の分量をどう調整するか、試行錯誤をくり返した。

 研究できるのは主に週に1時間半ほどの「卒業研究」の時間だけ。焦りながら、何度も作り直した。

 大福の皮の部分も苦労した。ふわりとクリームを包める柔らかさがなかなか出せず、菓子店の職人の力を借りて完成にこぎつけた。

 12月にできあがった大福は1個50グラム。使った塩は0・05グラムだった。甘い材料の中で、塩はほんの少しで良いことが分かった。

 「わずかの塩でも、キャラメルの甘さの中からスッと塩気がきた。最初は塩辛すぎて不安なスタートだったので、達成感は大きい」と大塚さん。完成した洋風塩大福は、コロナ禍で学園祭などの行事が中止になった同じ学科の2年生約70人に、卒業記念や成人祝いとして配られた。

 塩ゼミを担当する中島悦子講師(43)は「塩は私たちの食卓にとても身近だけど、あまり深く知られていない。多すぎても少なすぎても健康を損なう微妙さがあるので、学生には『適塩』の大切さを学んでもらいたい」と話している。(天野光一)

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 塩ゼミ 「は・か・た・の・しお!」と商品名を叫ぶテレビCMで知られる「伯方塩業」(松山市)と共同で2019年度、食物栄養学科2年生の「卒業研究」科目として開講。今年度は10人が学ぶ。伯方塩業は商品開発の指導や材料提供などで支援する。洋風塩大福は、開発に協力した亀井製菓の畑寺店(089・921・3731)で、3月末まで販売中。1個200円(税込み)。

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