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 【三重】映画「浅田家!」と舞台になった津市が、第11回ロケーションジャパン大賞のグランプリを受賞した。撮影を誘致して支援するなど、全国のロケ地の中で最も人を動かし、まちを活性化させた作品と地域に贈られる。東京都内で18日に授賞式があり、中野量太監督(47)と津市関係者らが出席。中野監督は「津市は行く場所、行く場所で撮影のイメージがわいた。それはロケ地の魅力で津市の強さだと思う」とあいさつした。

 この賞は、地域活性化のプロデュースなどを手がける企業「地域活性プランニング」(東京)が発行するロケ地情報誌「ロケーションジャパン」が主催する。過去にはNHK大河ドラマ「龍馬伝」と高知県(第1回)や、NHK朝の連続テレビ小説「半分、青い」と岐阜県(第9回)がグランプリに。県内では、津市美杉地区で撮影した映画「WOOD JOB!~神去(かむさり)なあなあ日常~」(14年公開)がロケ支援度部門(第5回)を受賞している。

 11回目の今回は2019年12月1日~20年10月31日に公開、放送された映画、ドラマ、アニメ作品から30作品52地域がノミネート。NHK大河ドラマ「麒麟(きりん)が来る」と岐阜県、同連続テレビ小説「スカーレット」と滋賀県といった作品が並んだ。

 審査はノミネート作品を見た6千人に「行きたくなったロケ地」についてアンケートを実施。「浅田家!」には「大切なシーンが何度も出てくる津市が印象に残った」「津の方言が可愛らしい」「主人公が釣りをしていた堤防に行きたい」――などといった感想が寄せられた。

 こうしたアンケート結果(支持率)に、観光客の増加や経済効果(地域の変化)、撮影隊がスムーズにロケを行えるか(撮影サポート度)、ロケ地で作品の世界観や地域そのものが楽しめるか(行楽度)の、四つの指標をポイント化。1千ポイント満点で944点を獲得した「浅田家!」と津市がグランプリに選ばれた。

 「浅田家!」は津市出身の写真家、浅田政志さん(41)の半生を描いた。実話をもとに、家族を巻き込んだ写真集づくり、東日本大震災で泥だらけになった写真を洗うボランティアなど、「家族と写真」を軸に物語が描かれている。

 津市は昨年10月2日からの映画公開とともに、巡回パネル展やトークイベントを主催。延べ3万人以上が訪れた。ロケ地マップも作成。JR東海や三重交通を巻き込んだ「ロケ地巡り」が好調で、ロケ地になった高田本山専修寺や津ヨットハーバーは、例年の3~4倍の人出だったという。

 中野監督は、津市のウナギがお気に入りで1日2回食べることもあったと撮影中の思い出を披露。「映画は支えられているものがたくさんあるが、一番大きな土台はロケ地。ロケ地の皆さんとの受賞をうれしく思う」

 津市内でも喜びの声が上がった。

 ロケ弁を担当した「飯処しるべ」(津市大門)の佐久間将之さん(58)は、「出演者も裏方さんも全員同じお弁当だった。まさに同じ釜の飯を食べて一体感があった」と振り返る。ロケ中は睡眠時間2時間で、朝4時に80食超のロケ弁を届けることもあったそうで「毎日、3食届けるのはヘトヘトだったが、こうして日本一がとれて報われました」と話した。

 また、津市広報課でプロモーションを担当した今城茉莉さん(38)は「全国の人が津っていいところだなって気づいてくれたこと。それによって津市民も『津っていいところなんだ』と気づかされたこと。今回もたらしてくれたこの『気づき』を、これからもっと高めていきたい」と喜んでいた。(佐々木洋輔)

グランプリ以外の入賞作

 【準グランプリ】NHK連続テレビ小説「エール」と福島市【特別賞】支持率部門 映画「糸」と北海道上富良野町▽行楽度部門 映画「弱虫ペダル」と浜松市▽地域の変化部門 映画「星屑(ほしくず)の町」と岩手県久慈市

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