再び日英同盟を結びますか EU離脱の英国大使に聞いた

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聞き手・石合力
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 英国と日本には、島国で王室(皇室)を持つ議会制民主主義国家として、多くの共通点がある。外交官として30年以上にわたって日本とかかわり、2月末に退任するポール・マデン駐日英国大使に、アジアへの関与を深める英国の立場や、英国における女性の社会進出などについて聞いた。

Paul Madden 1959年、英南西部デボン生まれ。ケンブリッジ大卒。貿易産業省に勤務後、外務省に。駐シンガポール、駐豪州の英高等弁務官(大使)などを経て2017年から駐日大使。「ラッフルズ卿」に関する著作や演劇台本の執筆も。2月末に退任する。

 ――アジアに位置していない英国がなぜ環太平洋経済連携協定(TPP)への加盟を申請したのですか。

 「理由は二つある。第一に、この地域は世界経済の中でも成長が速い。世界経済の成長の多くは将来、このアジア太平洋地域からもたらされることになるだろう。英産業界にとって輸出や輸入を拡大し、サプライチェーン(製品などの供給網)を広げる上で、多くのチャンスがある」

 ――第二の理由は?

 「貿易協定として高い水準を持ち、世界貿易のルール作りをする上でも加盟することが重要だからだ。世界貿易機関(WTO)は近年、いくつかの課題に直面している。世界貿易のシステムをこの協定で強化することができるはずだ」

外交政策、インド太平洋へ傾斜

 ――日米が提唱する「自由で開かれたインド太平洋」構想を、どう考えますか。これは中国を封じ込めるためのものですか?

 「英国も非常に強く支持している。だが、我々は中国を封じ込めるとは言っていない。英国は、インド、東アジアに常に非常に大きな関心、利害がある。政治的、経済的に成長する中国が国際的なルールに従って責任ある役割を果たすことを望んでいる。この点は日本も同じ立場だと思う。もちろん香港の自由を弱体化させる『国家安全維持法』の法制化など、好ましくない振る舞いに口を挟まないということではない」

 ――欧州連合(EU)を離脱した英国は、アジアへの志向を強めるのですか。

 「我が国は外交安全保障政策について、新しい統括的な方針を数カ月以内に発表する。主なテーマの一つがインド太平洋地域への傾斜だ。ただ、必ずしもこれまでと別の選択肢を取るということではない。欧州の隣国とも極めて緊密な通商関係を保っていく。米国との貿易も極めて重要だ」

 ――日本の一部にはかつての「日英同盟」を再び結ぶべきだという人々もいます。

 「同盟は、当時のロシア(の…

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