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 日本のカレーチェーン「カレーハウスCoCo壱番屋」のインド1号店が、昨年8月にオープンしてから半年になる。インドの新型コロナウイルス感染者数は1千万人を超え、外食を控える風潮が続くなか、日本のカレーは受け入れられているのか。「聖地インド」での浸透ぶりは――。

 「いらっしゃいませ」。首都ニューデリー郊外の街グルガオンにある店で、記者はインド人従業員に日本語で迎え入れられた。コロナ対策として名前や連絡先を聞かれた後、席に案内された。ホウレン草とチーズのカレーを頼むと、「トッピングはどうですか」と勧められた。辛さも選べる仕組みは、日本と同じだ。

 「コロナで外食を控える人はまだまだいます。ただ昨年12月になって、インド人客の割合が日本人を初めて超えました。55対45くらいです」。イチバンヤインディアの最高執行責任者(COO)中村広佐さん(46)はそう語る。昨年8月のオープン時には日本人客が9割以上を占めたが、インド人にも少しずつ受け入れられてきたという。

 価格は550ルピー(約800円)程度と、現地では決して安くない。主なターゲットは、大都市に住む比較的所得の高いインド人。海外経験があり、新しいモノに抵抗のない若者だ。店が入るのは、外資や大手企業の入る商業施設。平日は周辺のオフィスから訪れる客が中心で、日本の大手企業も集まる。「一度日本人の同僚に連れられて来たインド人が、週末に家族を連れて来てくれたことがうれしかったですね」と中村さん。来店客へのアンケートでは、年齢層は30代の客が最も多く、40代と20代が続く。

 アジアを中心に海外12カ国・地域で約180店舗を展開する壱番屋は近年、カレーの聖地インドへの「逆上陸」を経営目標に掲げてきた。日本のカレーは、小麦粉を混ぜて煮込むのが特徴だ。インドをルーツとするが、英国を経由して独自に変化しながら伝わったとされる。

 インドでは宗教上の理由から豚肉や牛肉を食べない人が多いため、ビーフやポークのカレーは扱わない。メニューは主に野菜やチキン、マトンのカレーだ。菜食主義者(ベジタリアン)向けに、肉を使わないチーズフライを用意し、ルーにも動物性の油脂を使わない。

「組み合わせを選ぶのが楽しい」

 平日の昼時に食べに来ていたインド人客に話を聞くと、日本びいきの人が多い印象を持った。休憩時に一人で来た銀行員のイティシャ・グプタさん(24)は「日本食はスパイスが少なくて胃腸にやさしく、ヘルシーなのがいい」。日本が好きで、いつか桜を見に日本を訪れたいと思っているという。カレーに添えられた福神漬けの名前を記者に尋ね、「おいしくて気に入った」と話した。

 「前世は日本人かと思うほど、日本食が好きだ。牛肉以外なら何でも食べる」。そう語る会社社長のディパク・バライさん(60)は仕事で何度も日本を訪れ、ココイチのカレーも食べたことがあったという。この日食べたのは、期間限定品のチキンカレーうどんだった。「スパイスや塩をたくさん入れず、素材の味を大切にする日本の考え方が好きだね」。弁護士のヨゲシュさん(27)も訪日経験はないが店の常連で、最初は新しいものへの興味で来店した。この日はチキンカレーに魚とホウレン草をトッピングするなど、「組み合わせを選ぶのが楽しい」と言う。

 「日本ブランド」は間違いなく…

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