日本人28人を含む185人が犠牲になった、ニュージーランド(NZ)南部のクライストチャーチ市の地震から22日で10年。市主催の追悼式典が同日開かれた。市内では倒壊した建物の再建が進む。一方で、無念の思いを抱き続ける遺族もいる。
式典は、市中心部を流れるエイボン川沿いに2017年に造られた、犠牲者全員の名前を刻む「追悼の壁」の前であった。10年前に地震が起きた午後0時51分(日本時間午前8時51分)に1分間の黙禱(もくとう)をした後、全員の名前が読み上げられた。
新型コロナウイルスの感染対策で政府が昨年3月から外国人の入国を禁止しているため、出席できない外国の遺族を考慮。今回はオンラインでも生中継した。
式典でアーダーン首相は「10年は長い時間だが、多くの人々にとっては昨日のようだろう。愛する者を失った人たちにとっては、悲しみはより大きい。私たちは185人の犠牲者を忘れない。彼らがくれた思い出とともに。多くの犠牲者が外国人だったことも忘れない。今回、来られなかった遺族たちにも半旗を掲げる」と述べた。
さらなる調査求め書面、政府から反応なく
最多の犠牲者を出したのが、倒壊した市中心部のカンタベリーテレビ(CTV)ビルだ。ビルにあった英語学校の留学生ら日本人28人を含む115人が犠牲になった。
大学教授のマアン・アルカイシさん(70)は、ビル内のクリニックで働いていた医師の妻メイスーンさんを亡くした。
妻と連絡が付かなくて現場に…