元に戻れなくても 悲しみ、絵本で寄り添う 池田小遺族

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塩入彩
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 2001年に大阪教育大付属池田小の児童殺傷事件で長女の優希(ゆき)さん(当時7)を失った本郷由美子さん(55)が、東京都台東区に様々な喪失に触れた絵本や本を集めたグリーフ(悲嘆)ケアのためのライブラリー「ひこばえ」を開設した。本郷さんが事件後に絵本に支えられた経験がきっかけとなった。

 白やパステルカラーを基調とした柔らかな雰囲気の部屋に、約650冊の絵本や本、漫画が並び、かわいらしいぬいぐるみたちも出迎えてくれる。ひこばえは昨年11月、台東区にある光照院の別棟「こども極楽堂」の2階につくられた。

拡大する写真・図版グリーフケアライブラリー「ひこばえ」を開設した本郷由美子さん=東京都台東区

読めなかった絵本

 「事件から2年ほどが経った頃から、このような場を作りたいと思っていました」と本郷さん。本郷さん自身、事件直後に友人から絵本を贈られることが多かったが、その気持ちがうれしい半面、当初は「とても読む気になれなかった」。1ページめくる。でも先に進めない。その繰り返しだったが、次第に絵本の絵や色彩をぼんやり見ているだけで、気持ちが和らいでいくのを感じるようになった。

 付属小の子どもたちとの交流…

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