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 地球温暖化防止にむけて、日本は2050年までに「脱炭素社会」の実現をめざすことになった。いったいどんな未来だろう。私たちの住まいや乗り物、仕事はどう変わっているのだろう。少し想像してみよう。

「藻が燃料の飛行機」「デマンドバス」……2050年の中学生日記

 いまは50年5月。ぼくは地方に住む中学生。きょうは体育祭の翌日で学校は休み。寝坊して起きたら、父と母の書斎からオンライン会議で話す声が聞こえてきた。もう仕事の時間か。

 何でも30年ぐらい前に、新型のウイルスが大流行して、人との接触機会を減らすため、テレワークが広がったんだって。それまでは、毎日会社に行くのが普通だったらしい。

 キッチンで朝食をつくる。いまはコンロも給湯器も家の中は電化が進んでいる。しかも、すべてネットワークにつながって、省エネが徹底されている。エアコンの温度は家族の生活パターンに合わせて最適化されているし、部屋の照明も、誰もいなければ自動で消える。家の造りも高断熱。屋根に設置した太陽光パネルで消費エネルギーが賄える「ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス」(ZEH)だ。

 昼に発電した電気は、家庭用蓄電池や車庫の電気自動車(EV)のバッテリーに蓄えてある。夜間や電力ひっぱく時、災害時はそれを使える。

 きょうはバスで友達の家に行こう。地方は利用者の需要に応じて、最適化したルートを走る「デマンドバス」が普通だ。その方が便利で、エネルギーに無駄がない。総合情報デバイスに行き先の指示を送ると「10分後に家の前の道路に出ていて」と返してきた。

 バスに乗り込む。対向車線を走る乗用車は、すべてEV。バスやトラックは水素で走る燃料電池車(FCV)だ。飛行機も藻が原料の「バイオジェット燃料」で飛ぶ。都市はコンパクトシティ化が進んで、車をもつ人が少ない。公共交通とEVのカーシェア、整備された歩道と自転車道の利用が多いそうだ。

 車窓から、林立する白い風車が見えてきた。ぼくの町は強い風を生かした風力発電が盛んだ。余った電気は都市に売る。いまの主力電源は、各地域に分散する再生可能エネルギー。屋根で太陽光発電をしてEVバッテリーで電力調整に協力する各家庭も電力の担い手なんだと感じている。

脱炭素の未来図は複数存在、選択は私たち次第

 ここまでの脱炭素社会のエピソードは、環境・社会のシナリオ研究が専門の国立環境研究所の五味馨(ごみけい)・主任研究員などへの取材をもとにしたものだ。こんな未来なら住みたいと感じた人もいるだろうし、現実はそう甘くないと感じた人もいるだろう。あくまで一例であり、未来図は複数存在しうる。

 約30年先の日本はさらに人口…

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