遠隔手術実現へ青森で国内初の実証 人工臓器の縫合も

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姫野直行
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 日本外科学会は22日、手術支援ロボットを使い、医師が遠隔地にいる患者を想定して模擬的に手術を行う実証実験を開始したと発表した。青森県弘前大学弘前市)から約150キロ離れたむつ総合病院(むつ市)に設置したロボット本体を操作して模擬手術を行う。医療機関をつないで遠隔手術の実証実験を行うのは国内で初めてという。

 遠隔手術は、2019年に改正された厚生労働省のオンライン診療の指針によって実現可能になった。実施に向けて学会が安全性や対象疾患についてガイドラインを作ることになったのを受け、日本外科学会が実施に向けて推進委員会を設置。21年度中のガイドライン作成を目指している。

 実証実験は、21日~3月1日に青森県弘前大学とむつ総合病院を複数の商用回線でつなぎ、リバーフィールド社(東京都新宿区)が開発中の手術支援ロボットを使って模擬手術を行う。模擬手術では、腸管を模した人工臓器を使って弘前大側からロボットを操作し、剝離(はくり)や縫合など手術の手技を行う。ロボット支援手術の指導的立場にあるベテラン医師と若手医師の2グループに分かれ、操作が完了するまでの時間や正確性、操作感覚などを検証する。

 推進委の副委員長を務める袴田健一・弘前大学教授は会見で「速報値で遅延は極めて少ない」と明かした。遅延は約100ミリ秒(ミリ秒は1千分の1秒)程度といい、多くの手術をするのに問題はない程度だという。今後、どんな疾患が遠隔手術で可能かを学会内で議論していく予定だ。

 全国の大学や研究機関を結ぶ…

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