中国政府の夏宝竜・香港マカオ事務弁公室主任は22日、香港統治に関わる公務員や議員は中国の「愛国者」でなければならないと述べ、行政長官や立法会議員を選ぶ選挙制度を中国政府主導で変更するとの方針を表明した。1人1票の民主選挙の実現を求めてきた香港の民主化の流れは、大きく逆行しそうだ。
夏氏は中国政府で香港政策を統括する同弁公室トップで、習近平(シーチンピン)国家主席に近い有力幹部。この日北京で開かれた会議で言明した。
選挙制度の民主改革は1997年の中国返還以来の香港の民主化運動の主要テーマだ。行政長官や立法会議員を選ぶ選挙は、中国との関係が深い産業界などの意向が強く反映される仕組みになっているが、香港基本法は「2007年以降の選挙制度は必要に応じて修正する」と規定。政権側もかつては「段階的な民主の前進」を約束した。
しかし、夏氏は「愛国者のみが香港を統治できる」との基準を示した上で、国の主権や安全に危害を加えず中国政府の権力に挑まないことなどを「愛国者」の定義とした。さらに「愛国者による統治を実現するために最も急ぐべきは、中央政府が主導して選挙制度を整備することだ」と強調。外国の選挙制度を安易に受け入れることは断じてしない、とも述べた。
選挙制度を具体的にどう変更…