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 石木ダム(長崎県川棚町)で水没する県道の代替道路(3・1キロ)の建設工事で、住民の座り込みによって着工できずにいた140メートルの区間に、県が今月上旬から土囊(どのう)や土砂を持ち込んだ。代替道路の着工から11年、年度内に本体着工に道筋をつけたい県と、警戒を強める住民らとの対立が緊迫している。

 土囊は家庭用の湯船以上の大きさで14、15個。未着工区間をほぼ中央で分断するように横一列で置かれていた。6日朝、現地を訪れた座りこみの住民や支援者が気づいた。座りこみ場所のすぐ背後だった。5日夕、住民らが引き上げた後の搬入だったとみられる。

 県は未着工分も含め今年度予定する1・1キロについて、住民の反対でいったん打ち切った業者との契約を結び直し、「今年度中の工事完了をめざす」との方針を先月明らかにしていた。16、17日にも続けて土囊の後ろに土砂が運び込まれ、2重の山が築かれた。住民は「17日は業者がいったん帰ったと見せかけて搬入した」と口惜しげに話す。

 1月28日にはダム堤体が築かれる左岸の山で木の伐採が始まった。崩落防止のため斜面を掘削する作業で、本体工事に直結する。住民が「知事が『住民との話し合いを模索している』と言っているのにおかしいじゃないか」と抗議すると止まった。

 住民の石丸勇さん(71)は「本体着工までいけば反対運動をしても無意味ではないかという方向に、県民世論を持っていきたいのだろう。ここは踏ん張りどころだ」と話した。(原口晋也)

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