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 球磨川中流の瀬戸石ダム(熊本県芦北町、球磨村)を運営する電源開発(Jパワー、東京)は19日、昨年7月の記録的豪雨時にダムの放流は適正に行われ、ダムの影響で水位が大きく上昇した事実は認められなかったとの調査結果を公表した。豪雨で被災したダムは発電を停止している。

 Jパワーによると、豪雨時のダム地点におけるピーク流量は洪水の痕跡調査の結果などから毎秒約1万トンと推定した。豪雨の際、ダムは昇降式ゲートを全開にして水量を調整。7月4日午前3時以降はダムに流入する水量がそのまま流下する状態となり、水位はダムより下流約300メートルの狭窄(きょうさく)部から徐々に上昇したという。ダム地点でも水位上昇は確認されたが、「ダムが水をせき止めて水位が大幅に上昇した事実は認められなかった」とした。

 潜水調査でダムの安全性は確認されたとして、発電設備の早期復旧をめざす方針も示した。具体的な復旧時期は未定という。

 蒲島郁夫知事は19日、「今回公表された内容は県でも確認し、河川管理者で瀬戸石ダムの設置許可権者である国土交通省においても確認されたと聞いている」などとコメントを発表。Jパワーに今回の調査結果や住民の要望・意見に対して説明責任を果たすことなどを要請した。

 一方、市民団体の「瀬戸石ダムを撤去する会」は瀬戸石ダムがあるため水位が上がり、洪水被害を大きくしたとみている。土森武友・事務局長は「(Jパワーは)4日午前3時半のダム湖の水位は46メートルで自然流下状態を継続したとしているが、同11時から正午のピーク時には53メートルに上昇している」と指摘。堆積(たいせき)した土砂の排除計画は過去に国に出していた計画と異なるなどと疑問点を挙げ、批判した。Jパワーに質問書を提出するという。(伊藤秀樹、村上伸一)

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