都城市立美術館で「つなぐ 美術と教育」展

神谷裕司
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 宮崎県都城市姫城町の市立美術館で、南九州を中心に画家の師弟関係や美術教育のあり方などを探った収蔵作品展「つなぐ 美術と教育~あれから~」が開かれている。絵画学習の主流だった徒弟制度から学校制度への移り変わりなどを示す作品約50点が展示されている。28日まで。

 市立美術館では2019年に「つなぐ 美術と教育」展を開催し、明治から近年に至る作品などを紹介した。今回の展示は、その続編に当たるもので、江戸~明治期の絵師の系譜や、旧師範学校から宮崎大学へと続く絵画教育の流れなどを追っている。

 市教委の学芸員によると明治期までの絵画学習では模写が重要だったという。

 鎌倉時代の和田合戦を、江戸期の都城ゆかりの絵師、竹之下信成(1639~82)が描いたと伝わる「和田合戦図屛風(びょうぶ)」を展示。その横に、都城出身の日本画家、山内多門(1878~1932)が10代後半に模写した「和田合戦図縮模」を並べた。現在は失われた図屛風の「左隻(させき)」部分も写して描いてある。

 都城生まれの医師・絵師、速見晴文(1821~1902)が10代のころ、絵の練習のために模写した「画帖(がちょう)」も展示。動物や植物などの様々な絵を写していたことがうかがえる。

 日本画の系図としては、能勢浄川軒一清(のせじょうせんけんいっせい、1790~1857)→中原南渓(1830~97)→山内多門→大野重幸(1900~88)の作品を連続して紹介。流れが分かるようになっている。また、都城出身の美人画の名手、益田玉城(1881~1955)の代表作の一つ「颯々園(さつさつえん)情景」も展示されている。

 師範学校から宮崎大学へと続く美術教育にも焦点を当ててあり、師弟関係にある画家たちの近年の大作を見ることができる。

 入場無料。問い合わせは美術館(0986・25・1447)へ。(神谷裕司)