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 志半ばにしてがんに倒れ、福岡県知事の職を辞すことになった小川洋氏(71)。治療を尽くしても病状は上向かず、コロナ禍と闘う県の最高責任者として病床で「悔しい」と嗚咽(おえつ)を漏らした。麻生太郎副総理兼財務相に武田良太総務相、複数の元自民党幹事長ら大物が群雄割拠する福岡県では過去の遺恨を引きずりながら、早くも後継選びに向けた駆け引きが始まっている。

 「道半ばでの辞任は悔しく、残念でならない」

 職務代理の服部誠太郎副知事(66)を九州大学病院(福岡市東区)の病室に招き入れた小川氏は、自ら身を引く考えを伝えた。服部氏に託した県民へのメッセージでは、「知事としての責任と役割を果たせないため、断腸の思いで決断に至った」と胸中を明かした。

 その顔は、服部氏には2週間前に会った時より少しやせて見えた。

 入院後初めて服部氏を病室に呼んだ7日、小川氏は復帰への希望を残していた。寝間着姿のまま酸素吸入器を付けて「申し訳ないけどこのままでいいかな」。ベッドのそばに座るよう促すと、切り出した。

 「検査を繰り返した結果、肺腺がんが見つかった」。病状を告げると、目前に迫る12日の復帰予定日への対応を話し合った。

 入院延期となれば、定例県議会を欠席せざるを得ず、新型コロナウイルス対策を含む新年度当初予算案の成立が不透明になりかねない。「12日ははってでも行く」。復帰への執念を見せる小川氏に対し、服部氏は「命を大事にしてください。家族のことも考えてください」といさめ、治療への専念を進言した。

 結論は出ないまま小川氏は「医師と相談する」と服部氏を帰した。小川氏はこの日、別の県幹部に予算資料の修正をメールで指示するなど仕事への熱意は衰えていなかった。

 病室にはこの間、同窓生のメッ…

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