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 【福岡】入院が長引く小川洋知事が22日、ついに辞職を表明した。新型コロナウイルスへの対応など、様々な施策を盛り込んだ新年度予算案を県議会に提案した日。県政停滞を懸念する小川知事は予算成立を議会に託し、決断した。早期の復帰を願ってきた県関係者は肩を落とした。

 「昨日の夜、秘書室長を通じて知事から病院に来るよう指示があった」。22日朝、職務代理を務める服部誠太郎副知事は県庁で報道陣の取材に淡々と答えた。激動の一日が始まった。

 午前11時半に県議会が開会。主のいない執行部席から登壇した服部氏は、県議たちに「(職務代理者として)誠心誠意職務を全うする」と呼びかけ、予算成立への協力を求めた。

 先行して審議した2月補正予算案が可決されると、午後2時51分、県庁からほど近い九州大学病院へ。1時間ほどで戻ると、議会棟を訪れ、小川知事の辞職の意向を伝えた。

 午後5時半に記者会見。冒頭、「病状と体力を考えると、これまでのように知事としての責任と役割を果たせないため、断腸の思いでこの決断に至りました」とする知事のメッセージを代読した。

 この日、服部氏が病室で知事と話したのは20分程度。顔は少しやせてやつれた雰囲気だったが、声はしっかりしていて会話に不自由は感じなかったという。

 新型コロナを巡っても話し、緊急事態宣言の解除については「データにもとづき、市町村と意見交換して検討するように」と指示を受けたという。

 知事の辞職は3月24日となる見通しで、それまでは「必要に応じて相談などを遠慮なくしてほしい」と服部氏に話したという。後継については特に話題に上らなかったという。

 知事から託されたメッセージは県民向けに「道半ばにして辞任せざるを得なくなったことを心からおわび申し上げます」と結んだ。服部氏は「一日も早い復帰に向けて(治療を)頑張ると知事は言われ、私もそれを信じていた。知事の心中は察するにあまりある。大変残念に思っています」と涙ぐんだ。

     ◇

 県政界からは小川洋知事の無念の胸中を推し量る言葉が相次いだ。

 自民党県議団を束ねる蔵内勇夫県議は「政治家としてまだまだやりたいことがある中で辞めるのは無念だろう。治療に専念して一日も早く元気になってほしい」。野党として県政を批判してきた共産党県議団の高瀬菜穂子団長は「立場は違ったが、県政の発展のために議論を戦わせてきた。辞める決断をされたことは無念だと思う」と話した。

 知事選は4月中に実施される見通しになった。公明党県議団の森下博司団長は「知事選は白紙からのスタート。人物本位で選んでいく」。立憲民主党県連の原中誠志幹事長は「県議団で早急に意見交換し支援団体とも協議する」と述べた。

 宿泊税などで小川知事とぶつかる場面も多かった福岡市の高島宗一郎市長は、「一日も早い回復を祈念する」。北九州市の北橋健治市長は「県政発展にかけた手腕や功績に敬意を表したい」とたたえた。(神野勇人、布田一樹、原篤司)

小川洋知事の辞職を巡る22日の動き

09:00過ぎ 服部誠太郎副知事が登庁時の取材に「昨日の夜、秘書室長を通じて知事から病院に来るよう指示があった」

11:30 開会した県議会本会議で服部氏が「(職務代理者として)誠心誠意職務を全うする決意」。予算成立へ協力を求める

14:25 補正予算などを可決し、本会議が散会

14:51 服部氏が車で病院へ出発。知事から辞表を受け取る

16:08 服部氏が吉松源昭議長に、「先ほど知事から辞表を預かってまいりました」と手渡す

16:12 代表者会議で服部氏が知事の辞意を報告

17:30 服部氏が記者会見で知事の辞意表明を説明

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