廃炉も移住政策も「期待できない」7割超 福島世論調査

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編集委員・大月規義
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 東京電力福島第一原発の爆発事故から10年になるのを前に、朝日新聞社と福島放送は共同で、福島県民を対象に世論調査(電話)をした。原発の廃炉作業が予定通り進むことに、74%が「期待できない」と答えた。「期待できる」は19%だった。

 調査は事故半年後の2011年9月、翌年から毎年2~3月に行い、11回目。今回は20、21日に実施した。国と東電が「30~40年で完了」の目標を掲げる廃炉作業は、当初の行程から大幅に遅れている。

 避難指示が解除されても、元の住民の多くが戻ってこない状況を受け、政府は原発周辺の自治体に新たな移住者を呼び込む政策を始める。この政策で地域が活性化することを「期待できる」は21%で、72%が「期待できない」だった。

 福島第一原発の敷地内のタンクにため続けている汚染水の処分についても聞いた。汚染水から「大半の放射性物質を取り除いた処理水を薄めて海に流す」ことに賛成は35%(前回20年調査は31%)で、反対53%(同57%)の方が多かった。海洋放出で風評被害が起きる不安は「大いに」48%、「ある程度」39%を合わせて87%が「感じる」と答えた。政府は地元での説明会を重ねているが、不安解消にはつながっていないようだ。

 原発事故を防げなかった責任が国にあると思うか尋ねると、「大いに」33%、「ある程度」51%を合わせて84%が責任が「ある」と答えた。60代の45%、70歳以上の44%が「大いに責任がある」と答えた。

 事故に対する政府のこれまでの対応を「評価する」は28%、「評価しない」が50%。東電がこの10年間、事故に対する責任を「果たしてきた」は39%、「果たしてこなかった」は43%だった。

 原発事故の教訓を日本社会が「生かせている」は32%にとどまり、57%が「生かせていない」と答えた。原発の再稼働には賛成16%、反対69%だった。13、14日に実施した全国世論調査(電話)では賛成32%、反対53%で、全国以上に強い反対の姿勢がうかがえた。

調査方法

 コンピューターで無作為に作成した固定電話番号に調査員が電話をかけるRDD方式で、福島県内の有権者を対象に調査した(一部地域を除く)。有権者がいると判明した1955件のうち1049人から有効回答を得た。回答率54%。

復興への道筋は足踏み、「関心薄れる不安」感じるが79%

 朝日新聞社と福島放送が実施した福島県民対象の世論調査(電話)で、東京電力福島第一原発の事故から10年を経て、復興への道筋が「ついた」と答えた人は「大いに」3%、「ある程度」47%を合わせて50%だった。

 復興への道筋が「ついた」は…

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