J1クラブの戦力分析 昨季11~18位と昇格組は?

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 サッカーの明治安田生命J1リーグが26日に開幕する。優勝を目指して争う20クラブの戦力を、担当記者が分析した。後半は昨季リーグ戦11~18位と昇格組のチームを紹介する。

大分トリニータ 192センチ長沢で得点力増

 昨季、二つの課題が浮き彫りになった。リーグワースト2位タイの36点だった得点力。5得点、15失点と攻守ともJ1で最低水準だったセットプレーだ。

 両課題を解決しうるのが、仙台から加わった192センチの長身FW長沢。競り合いに強く、ポストプレーもこなせるターゲットマンは、強みのサイド攻撃の仕上げ役としてうってつけだ。実績もある32歳は「自分の特徴が生かせる。責任を感じるし、やりがいがある」と、意欲的だ。

 6年目となる片野坂体制で、盤石だった3バックは再編を余儀なくされた。鈴木が清水へ、岩田が横浜マに引き抜かれた。湘南から獲得したDF坂が、新たなリーダー役を担う。危機察知やカバーリングに優れる分、自陣で組織を整える従来の守りだけでなく、高い位置からボール奪取を図る戦術も選択肢になる。

 新加入14人と入れ替わりが激しかった分、若返りは進んだ。新戦力の多くは完全移籍のうえ、複数年契約を結んだ。西山哲平GMは「今年を乗り切れば、明るい展望がみえてくる」。ワンランク上へ脱皮するために、大事な1年になる。

コンサドーレ札幌 超攻撃型、熟成なるか

 新年早々、ペトロビッチ監督が帰省中のオーストリアで転倒し、左足を骨折した。クラブ側は「開幕戦には間に合う見込み」としているが、チームの指揮にどこまで影響が出てくるか。

 同監督が就任して今季で4年目。2019年のルヴァン杯で準優勝したが、リーグ戦は4位、10位、12位と下降線をたどっている。

 オールコートでボールを奪いにいく超攻撃的サッカーは、守備のもろさと隣り合わせだ。昨季はリーグ戦覇者の川崎に相手本拠の等々力で唯一土をつけたが、失点はリーグで6番目に多い58。攻守のバランスを保ちつつ、この戦術をどう熟成するかが、浮上のカギになりそうだ。

 FWアンデルソンロペス、MFチャナティップ、DF福森晃斗ら主力は残留し、ナイジェリア代表の大型FWガブリエルの獲得にも成功した。新加入のFW小柏剛(明大)とDF岡村大八(J2群馬)は攻守両面の意識が高く、スタメンの有力候補だ。41歳の小野伸二は約1年半ぶりに復帰し、若いチームを下支えする。クラブの目標はアジア・チャンピオンズリーグの出場権獲得だ。

サガン鳥栖 ひしめく才能たち

 経営難も相まって、育成型クラブへとかじを切って2年目。今季も指揮する金明輝監督の下、攻撃的なスタイルは浸透しつつある。

 攻守にキーマンだったDF森下が名古屋に引き抜かれたものの、若き才能がひしめく。大卒1年目の昨季チームトップの9得点を挙げたFW林、19歳の生え抜きMF松岡はすでに欠かせぬ存在。16歳でJ1デビューした左利きのDF中野は、ユース所属ながら両サイドバックを高い水準でこなす逸材だ。

 不安はセンターバックの層の薄さ。DFエドゥアルドは主将に就任し、清水から経験豊富なDF黄錫鎬を獲得したものの、3番手が見当たらない。精神的支柱でもある2人が欠けたときに、若いチームであるがゆえに屋台骨が揺らぎかねない。

 毎年のように「降格候補」と目されながら、J1も10年目。昨季も13位とはいえ上位相手の健闘が目立った。所属選手の約半数が入れ替わっても、金監督は「残留争いは一切考えていない。まず1桁順位、結果的にはアジア・チャンピオンズリーグを狙えるくらいまでいきたい」。

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