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 鹿児島市で医師として働く傍ら、短歌や詩を作り続けた浜田到(1918~68)を紹介する企画展が、同市城山町のかごしま近代文学館で開かれている。家族が保管し、交流のあった歌人を通じて寄贈された約1500点の資料の一部が初めて公開されている。

 浜田は、霧島市出身の両親が農園を経営していた米・ロサンゼルスで生まれ、4歳で両親と霧島に移った。旧制第一鹿児島中(現・鶴丸高)などを経て内科医となり、現在の済生会鹿児島病院などで勤務した。

 短歌は親戚の影響を受け16歳で作り始めた。「わが患者靴工死ねば梅雨空に痩せし木型の月捨てられをり」と、医師の視点で詠んだ歌もある。

 東京の歌壇でも高い評価を受け、著名な編集者によって広く紹介された。30代半ばからは、浜田遺太郎(いたろう)の名で詩も発表。歌作には思想を込め、詩作では生活をうたい、自らを「詩人(うたびと)」と称したという。

 自転車で往診から帰る途中、鹿児島市武の自宅近くで事故にあい、49歳で死去。構想していた作品集の刊行が実現したのは死後だった。

 作品集に収められた作品には「陋巷(ろうこう、狭くむさくるしい町)の灯が吼(ほ)えかかる」「僕らを深い空の水底へ傾かせる」といった表現があり、学芸員の森山鮎美さん(39)は「自分が納得いくまで考えに考え、ことばをみがきあげた浜田の世界を感じてほしい」という。

 企画展は5月10日まで。3月6日と4月29日にギャラリートークがある。いずれも午後1時半からで、3月6日は浜田の生涯を、4月29日は作品をテーマにする。

 火曜休館だが5月4日は開館し、2月24日と5月6日は休館する。料金は一般300円、小中学生150円。(木脇みのり)

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