イチオシ本2020に伊吹さんの「雲を紡ぐ」

佐藤太郎
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 埼玉県内の高校図書館に勤める学校司書らが選ぶ「司書が選んだイチオシ本2020」で、伊吹有喜さんの「雲を紡ぐ」(文芸春秋)が1位に選ばれた。県内の53書店や主な公共図書館でイチオシ本を紹介するフェアが開かれている。

 「イチオシ本」は高校生にいい本を読んでもらいたいと高校図書館で働く司書有志が2010年に始めた企画。19年11月から20年10月までに出版された本を対象に、学校司書ら121人がインターネットによる投票で決めた。

 1位に選ばれた「雲を紡ぐ」は、いじめが原因で不登校になった高校生の美緒が成長していく物語。ほかに、19、20年の本屋大賞を受賞した瀬尾まいこさんと凪良ゆうさんの小説もベスト10入りをしている。

 この企画を立ち上げた県高校図書館フェスティバル実行委員会のメンバーで、県立浦和第一女子高校主任司書の木下通子さん(56)は「今回は不透明な時代を反映して、いかに生きるかというテーマの本が選ばれている」と話している。

 ユーチューブで「イチオシ本2020」として動画配信しており、木下さんが1位に選ばれた伊吹さんと担当編集者にインタビュー。伊吹さんが作品への思いやエピソードを披露している。書店や図書館でイチオシ本のミニパンフレットが無料配布されている。ベスト10に選ばれなかった本も、選んだ司書のコメントつきで紹介されている。

 新型コロナウイルス緊急事態宣言に絡み、図書館が開館しているかは事前に確認が必要。(佐藤太郎)

「イチオシ本2020」の上位10作品

1位 雲を紡ぐ

伊吹有喜(文芸春秋)

2位 なぜ僕らは働くのか 君が幸せになるために考えてほしい大切なこと

池上彰監修(学研プラス)

3位 水を縫う

寺地はるな(集英社)

4位 逆ソクラテス

伊坂幸太郎(集英社)

5位 おとめ六法

上谷さくら、岸本学著 Cahoイラスト(KADOKAWA)

6位 晴れ、時々くらげを呼ぶ

鯨井あめ(講談社)

7位 わたしの美しい庭

凪良ゆう(ポプラ社)

8位 仕事本 わたしたちの緊急事態日記

左右社編集部編(左右社)

9位 10代から知っておきたい あなたを閉じこめる「ずるい言葉」

森山至貴(WAVE出版)

10位 夜明けのすべて

瀬尾まいこ(水鈴社)

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