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 滋賀県甲良町は、地元出身の戦国武将、藤堂高虎(とうどうたかとら、1556~1630)をPRする活動をしている。2019年に初演した新作能「高虎」を来月、ネットで配信。高虎をイメージした自動販売機も設置した。徳川家康ら7人の主君に仕え、築城の名手とされる高虎の知名度を高め、町おこしにつなげる狙いだ。(筒井次郎)

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 甲良町が制作した新作能「高虎」は、3月3日午前10時から14日午後11時59分までネット配信される。

 能の公演は約70分。徳川家康の側近だった僧の天海が甲良の里に立ち寄るところから始まり、やがて高虎の霊が現れ、生前の思い出や合戦で失った家臣への無念を語る――というあらすじだ。

 制作のきっかけは、高虎が能楽を愛した文化人だったこと。初演は町内の中学校体育館で19年秋にあり、600人が鑑賞した。

 観世流能楽師の浦部好弘さん(81)=愛荘町=らが演出、高虎の能面は能面師の伊庭(いば)貞一さん(69)=東近江市=が手がけた。2人は「近江の能を全国、世界に広めていきたい」と話す。

 当初は観客を入れた2度目の公演の予定だったが、新型コロナウイルスの感染再拡大でネット配信に変更した。収録は今月14日、京都市の能楽堂「嘉祥閣(かしょうかく)」であった。28日まで、クラウドファンディングでネット配信の資金を募っている。

 視聴料金は2千円で、購入はチケットぴあ(https://t.pia.jp/別ウインドウで開きます)から。舞(まい)・笙(しょう)の「禍(まが)ごとの鎮(しず)め」も演じられる。問い合わせは町観光協会(0749・38・2035)。

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 「甲良 高虎自販機」は、出生地に近い藤堂高虎ふるさと館「和(わ)の家(や)」(同町在士)や近江鉄道尼子(あまご)駅など計4カ所に設置された。

 正面や側面にイケメン風の町公認キャラクター「藤堂高虎」のイラストが描かれている。硬貨を投入すると、高虎をイメージした低い声で「コロナとの合戦、マスク・手洗い・うがい、備えはよろしいかな?」と流れ、新型コロナの感染防止を呼びかける。飲み物が出る時は「大儀である。常日ごろから備えをな!」。

 声の主は、地元の甲冑(かっちゅう)隊で高虎役を務める田中良治さん(72)。「低い声で風格を出した。高虎の名を上げ、いつか高虎を大河ドラマにと願っています」

 ダイドードリンコ社製で、同社によると自販機に採用した武将は3人目。大河ドラマ「麒麟(きりん)がくる」にちなみ、19年に京都府福知山市に設置された明智光秀と、安土城跡のある滋賀県近江八幡市に昨年登場した織田信長に次ぐ。

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 〈藤堂高虎〉 近江国犬上郡藤堂村(現甲良町在士)に生まれ、浅井長政や豊臣秀長(秀吉の弟)、徳川家康ら7人の主君に仕えた。身長190センチの大男だったといわれ、伊勢・伊賀(三重県)32万石の大名となった。伊賀上野城や篠山城(兵庫県)などを手がけ、「築城の名手」といわれる。甲良町の出生地付近には記念碑や像が立つ。町はゆかりがある他の自治体とともに、NHK大河ドラマの誘致活動も続けている。

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