神鋼ラグビーV7を支えた「岡イズム」と泥臭い反復練習

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冨田悦央
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 ラグビーのトップリーグが2月20日、大阪・東大阪市花園ラグビー場などで開幕し、2019年のワールドカップ(W杯)日本大会で活躍した内外のスター選手が各チームに分かれて戦い始めました。これに先立つ1月には記念すべき第100回全国高校大会の決勝が花園ラグビー場で開かれ、第57回全国大学選手権決勝(東京・国立競技場)では天理大学が初優勝。関西勢としては36大会ぶりの大学日本一で、関西ラグビー界が活気づいています。関西ラグビー協会の萩本光威(みつたけ)会長(62)から、これからの取り組みや現役時代の思い出を聞きました。

 はぎもと・みつたけ 1959年、和歌山県で生まれ、神戸市で育った。同志社大ラグビー部の全国大学選手権初優勝、神戸製鋼の日本選手権初優勝・7連覇に貢献。指導者として神鋼をトップリーグ初代王者に導き、日本代表監督などを歴任。2020年4月から関西ラグビーフットボール協会会長。

 ――新型コロナウイルスの集団感染を克服して、ハードな練習をした天理大学は連覇を目指した早稲田大学を55―28で圧倒しました。

 関西勢で大学日本一となったのは1980年度に初優勝し、82~84年度に3連覇した母校、同志社以来だ。天理は夏合宿で長野・菅平に行って、関東の大学とよく試合をしていると聞く。継続が力になっている。その天理の小松節夫監督は、関東の伝統校が「打倒天理」を目標に掲げる次回の大学選手権について、「怖い」と話していた。関西大学ラグビーAリーグの他の大学も、夏合宿などで数多く関東の大学と練習試合をしてほしい。そして「関西Aリーグ5連覇の天理を引きずりおろせ!」という覚悟で競い合ってほしい。関西Aリーグが「天理の一強」では絶対にダメ。関西協会としては、常に大学選手権のベスト4に関西勢が2チーム、そのどちらかが決勝に進むのが理想だ。

 ――小松監督は協会のサポートを求めていました。

 全国の14チームが戦う大学選手権で、関西協会管内の大学の出場枠は、関西Aが3、東海・北陸・中国・四国代表が1。天理の優勝で前年度優勝チーム所属リーグに与えられる1が加わり次回選手権は計5。このうちベスト8に4チームが勝ち上がってもらいたい。関西A、東海・北陸・中国・四国代表の底上げと、関西Bリーグの上位2チーム(Aリーグとの入れ替え戦に出場する)の強化も必要だ。関西Aの8チームでやってきた春季トーナメントに、東海、中国地区や関西Bの上位チームが参加することなどを検討したい。

 関西協会管内の選抜チームを作って関東協会選抜チームと対戦するなど東西交流も検討課題だ。

 ――競技人口を増やしたり、ファン層の裾野を広げたりするには、子どもたちがラグビーにふれる機会を設ける必要もありそうです。

 19年のW杯に出場した国・地域の代表チームが大会前にキャンプを張った自治体が静岡や愛知、滋賀、和歌山、兵庫、山口、徳島、高知県大阪府にある。静岡や和歌山、山口、高知県といった、ラグビーに力を入れている自治体とのタイアップや、トップリーグのチームの協力もいただければ、ありがたい。関西協会が目指すべき「ビジョン・ミッション」をつくったので、それに沿って、強化と普及の仕組みを創造、復活していく。天理の大学日本一も弾みになるし、トップリーグ上位チームがある関西にはラグビーの強化、普及の土壌はある。まず、一歩前に踏み出したい。

「基本プレーの精度!」を言われ続けた

 ――ご本人も同志社大学時代は厳しい練習を続けてこられたようです。

 同志社が大学選手権で初優勝する1980年度の夏合宿で、同志社ラグビーを象徴する存在として知られた故・岡仁詩(ひとし)先生(1929~2007)から大目玉を食らったことがあった。

 自分のポジションはフォワー…

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