輪禍のケナガネズミ 治療して森へ 鹿児島・奄美

奄美通信員・神田和明
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 鹿児島県奄美大島にある環境省奄美野生生物保護センター(大和村)がこのほど、ケガで保護されていた国の天然記念物ケナガネズミの治療が終わり、森に戻されたと発表した。ケガをしたケナガネズミの野生復帰は、同島では初めての事例という。

 センターによると、この個体は昨年12月20日夜、奄美市住用町の国道58号で保護された。交通事故によるとみられる右前脚と鼻の骨折があり、市内の動物病院で治療が続けられていた。歩行やえさを取る動きに支障がないほどに回復したため、今月10日に島内の森に放されたという。

 ケナガネズミは奄美大島徳之島沖縄本島北部だけに生息し、体長約25~30センチの日本産最大のネズミ。背中に生える長い毛が名前の由来とされ、尾の一部が白いのが特徴。森林伐採などで数が減り、環境省レッドリストで絶滅危惧ⅠB類に指定されている。

 森が道路で寸断された場所などで路上に現れることがあり、同省によると、今年度は15日までに4件の事故が確認された。同センターは「生息地近くでは、ゆとりを持って運転をしてほしい」と呼びかけている。(奄美通信員・神田和明)