水城高のBMXアスリート 世界めざしCF挑戦

伊藤良渓
[PR]

 【茨城】自転車競技のBMX(バイシクルモトクロス)で、世界をめざす高校生がいる。水戸市の水城高3年の岡本春斗さん(18)。靱帯(じんたい)損傷の大けがを乗り越え、昨春、国際大会への出場資格がある日本B代表に選ばれたが、遠征費が足りず世界選手権への出場を断念。世界で戦うため、現在、クラウドファンディング(CF)で資金を集めている。

 BMXのレースは、自転車で障害物のあるオフロードコースを走る速さを競う競技。2008年の北京五輪から正式種目に採用された。東京五輪日本代表の長迫吉拓(よしたく)選手が18年アジア大会で日本人初の金メダルを獲得し、回転など技の難度や独創性を競うBMXフリースタイルは東京五輪で正式種目に採用されるなど、注目が集まっている。

 岡本さんは父と始めたサイクリングがきっかけで、小学3年の頃にBMXを始めた。霞ケ浦りんりんロードの起伏のあるコースを気に入り、「もっとでこぼこしたところを走りたい」と訴えた。国営ひたち海浜公園のBMXコースに挑戦すると一気にのめり込み、1年後には国内レースに出場するようになった。

 高校1年の夏、ジャンプの練習でひざの靱帯を痛めた。全国大会でベスト16に入った時期。復帰まで約1年という診断に「治っても、これまで通り走れないかもしれない」と、競技を続けるべきか迷った。「ただ楽しくて、ここまで続けてきた。『これで終わっちゃうの』と思った」

 自転車に乗れない中、自分が何をやりたいのか考えた。「競技に戻ることより自転車に乗る楽しさをまた味わいたい」。その思いでリハビリに取り組んだ。

 けがをして1年近くたった19年春に復帰。ただ、ジャンプだけは怖かった。「次、飛ぼう」と思っても足がすくむ。同じコースの、けがをした地点ではない場所でジャンプを繰り返し、体が慣れるのを待った。仲間も「一緒に飛ぶよ」とつきあってくれた。「徐々に、遊び場に戻っていく感覚でした」

 この年、出場した大会で上位入賞を果たし、昨春に日本B代表に選ばれて世界選手権への出場権を得た。しかし遠征費用は1回あたり約50万円。遠征を断念し、地元の笠間市スポーツ振興課とやり取りするなかでCFを知った。岡本さんは「目標は五輪の舞台」と目を輝かせる。「まだまだ競技人口が少ない。多くの人にBMXを知ってもらい、魅力を伝えたい」

 現在、募集中のCFは、明治安田生命の「地元アスリート応援プログラム」で、期限は28日まで。目標金額は30万円で、24日現在で達成度は52%だ。詳細は朝日新聞社のCFサイト「A―port」(https://a-port.asahi.com/projects/okamoto2020/別ウインドウで開きます)で。(伊藤良渓)