[PR]

 菅義偉首相の長男が勤める放送関連会社「東北新社」から接待されていた総務省幹部らが、一斉に処分された。野党3党の要求で、7万4千円を超す高額の接待を受けていた山田真貴子・内閣広報官が25日の衆院予算委員会に出席して説明することが決まった。

 接待問題が刑事事件に発展する可能性はあるのか。

 総務省側は「行政がゆがめられた事実は確認されていない」と強調するが、刑法の贈収賄罪は公務員が便宜を図っていなくても、職務に関係のある業者から接待を受ければ成り立つ。行政がゆがめられた場合は、より法定刑が重い加重収賄罪が適用される。

 元東京地検特捜部副部長の若狭勝弁護士は今回のケースについて「理屈上は贈収賄罪が成立する」と指摘する。だが検察が起訴するかどうかは別問題だ。

 実務上、賄賂の総額が50万円以上だと起訴するべきだと判断するといい、「今回明らかになった金額では足りない印象だ」と話す。

 一方、「時代によってその金額は変わる。捜査で新たな接待や現金授受が判明する可能性もある」として、事件に発展することもあり得るとの見方も示す。

 さらに、検察が無視できないのが検察審査会だ。若狭氏は「検察は国民の目線を意識して捜査を尽くすはずだ」。別の検察OBも「首相の親族が絡み、世間の注目は高い。検察は軽く扱えないだろう」と語る。弁護士らでつくる市民団体「税金私物化を許さない市民の会」は近く、総務省幹部や菅首相の長男らをそれぞれ収賄容疑と贈賄容疑で東京地検に告発する準備を進めている。(酒本友紀子)