入居者の生活保護引き出す 6500万円脱税容疑で告発

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中野浩至
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 認知症の高齢者向けグループホームの入居者が生活保護費から支払った利用料などの売り上げを除外し、約6500万円を脱税したとして、東京国税局査察部が、千葉県松戸市の二つのホーム運営法人と両法人を経営する先達(せんだつ)徳男代表(69)を、法人税法違反容疑で千葉地検に告発していたことがわかった。

 関係者によると、両法人は「アートアシスト」と「なかよしネット遊歩」で、東京都と千葉県内の計5カ所でグループホームを運営。入居者から現金で受け取った利用料を売り上げから除いたり、経費を水増ししたりする方法で、2018年9月までの3年間で約2億7千万円の所得を隠し、約6500万円を脱税した疑いがある。

 5カ所のホームには、認知症と診断された入居者計約70人が生活しており、その大半は生活保護を受けていた。ホームの利用料は月額十数万円。充てられた生活保護費はいずれも現金で、自治体からホームに現金書留で送られてきたり、ホーム側が入居者から預かった通帳から引き出したりしたものだった。

 先達代表は取材に対し、「約10年前から売り上げの除外をしていた」と説明。脱税で得た資金を含む現金約6億円を自宅の寝室で保管していたという。

 先達代表は「脱税を行っていたことは事実」と容疑を認めている。修正申告を済ませたとしたうえで、「将来に対する不安から現金をプールしていた。大変なことをしたと恥じている」と陳謝した。

自治体側「入れてもらっているという弱みが」

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