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 警察庁は25日、日米の捜査当局間で容疑者などの指紋データを互いに照会できる「重大犯罪防止対処協定」の昨年の実施状況をまとめた。米側からの照会に対し、日本から1件の適合指紋があると回答。逆に日本からの照会に米側から959件の適合指紋があると回答があったが、確認した結果、最終的に一致したものはなかった。

 協定は2019年1月から運用。容疑者の指紋や現場に残された指紋を相手国のデータベースに照会し(1次照会)、適合する指紋があるとシステムが識別して自動回答。その場合、容疑者の名前や犯罪歴などの情報の提供を要請(2次照会)できる。

 警察庁によると、昨年は米連邦捜査局(FBI)から100件の1次照会があり、うち1件で適合指紋があると自動回答したが、その後2次照会はなかった。逆に、警察庁はFBIに1043件を1次照会し、959件で適合ありと自動回答が来たが、鑑定官が確認した結果、一致と判断したものはなく、2次照会はしなかった。

 日本から米側への1次照会件数は前年の約1・5倍に増加し、逆は7分の1以下に減少。警察庁は「制度を積極的に活用している」と説明する。ただ、この制度に基づき、事件の容疑者判明に直接つながった例は今のところないという。(編集委員・吉田伸八)