聞き手・望月洋嗣
米ニューヨーク・タイムズ(NYT)のフランチェスカ・ドナーさんは、同紙の初代ジェンダー・ディレクターとして、報道の中に潜む性差別の解消に取り組んできました。新型コロナウイルスが世界で猛威を振るう今、ジェンダー格差を考える上で必要な視点は何か。3月8日の国際女性デーを前に聞きました。
拡大するフランチェスカ・ドナーさん=2020年1月、米ニューヨークのニューヨーク・タイムズ本社、望月洋嗣撮影
Francesca Donner ウォールストリート・ジャーナル、フォーブスなどを経て2017年から現職。シンガポールで生まれ、高校まで英国に滞在。米スタンフォード大卒。10歳、8歳、2歳の3児の母。
――新型コロナが世界を一変させました。東京五輪の行方に注目が集まる中で飛び出した森喜朗元首相の女性蔑視発言は、NYTも報じましたね。
あの発言を聞いて、女性が議論の場にいる重要性を改めて考えました。女性抜きでは見解の多様性は生まれず、包括的な解決策も見いだせない。たとえば、新型コロナと闘う医療従事者の必需品を男性だけで考えたら、生理用品などは抜け落ちてしまう。コロナ禍の初期、医療の最前線で実際に起きたことです。
もちろん女性だけの会議もダメ。あらゆる声を聞く場が大切です。すべての声には必ず聞くべきことが含まれる。異なる肌の色、異なる障害を持つ人の声も同様に大切です。
――米国でも、森氏の発言の背後にあるような考え方がまだありますか。
表向きは「女性歓迎」と言いな…
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朝日新聞国際報道部