ワシントン=香取啓介、サンパウロ=岡田玄
米バイデン政権が、移民制度の改革に乗り出した。中南米からの難民申請者をメキシコ国内で待機させるトランプ政権の方針を見直し、不法滞在者に市民権獲得の道を開く法案も公表した。野党・共和党は移民政策に厳しい姿勢で臨んでおり、法案が成立するかは不透明だが、期待して待つ人たちもいる。
「これからどうなるのか。本当のことを確認したくて、ここに来た」。米テキサス州エルパソと接するメキシコ・シウダフアレスの国境検問所で、グアテマラ出身のマリア・ビクトリアさん(24)は19日、朝日新聞助手に語った。
母国では、暴力と貧しさに命を脅かされてきた。「恐怖を乗り越え、前に進むには米国に行くしかない」と、2人の子どもを連れ、「私にはとても高いお金を払って」メキシコまで来た。シウダフアレスに着いた8カ月前から、何度も検問所に通ってきたが、米当局からは「今は受け付けていない」と追い返され続けてきたという。
オバマ政権まで、難民申請者は審査結果が出るまで、米国内で待つことが許されていた。しかし、「申請後に行方が分からなくなる例がある」としてトランプ政権は問題視し、米国からメキシコに送り返すようになった。結果的にメキシコ側の国境地帯には数万人の難民希望者が滞留し、劣悪な生活環境を強いられたり、親子が離ればなれになったりすることも起きている。
バイデン大統領は移民政策の見…
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朝日新聞国際報道部