普段は脇役、須恵器からみえる歴史ロマン いろんな形で

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編集委員・中村俊介
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 古墳や古代史がテーマの展覧会で時折見かける、あの地味な器たち。展示ケースの片隅にひっそり置かれた須恵器に興味を示す見学者は、そう多くない。そんな脇役を、愛知県陶磁美術館(瀬戸市)の「日本陶磁の源・陶邑窯(すえむらよう)」展は主役に据えた。須恵器生産の中心だった大阪・陶邑窯の紹介を通し、須恵器たちがここぞとばかりに存在を主張している。

 須恵器は、黒っぽい素焼きのやきもの。古墳時代から飛鳥、奈良、平安時代にかけて盛んに使われた。窯を利用して1100度以上の高温で焼かれ、防水性に優れた硬さと丈夫さが特徴だ。

 朝鮮半島の陶質土器をルーツに5世紀初頭の日本で登場し、その一大生産地こそ大阪南部、ユネスコ世界遺産百舌鳥(もず)・古市(ふるいち)古墳群」のおひざ元に近い陶邑窯だった。

 大和政権下、飛鳥や平城京といった大消費地に製品を供給し、食器や日用雑器はもちろん古墳の副葬品にも重宝された。

 もろくて水漏れしやすい従来の土器とは比べものにならないテクノロジーで、その導入は技術史上の大イノベーションでもあった。

 とはいえ、大抵くすんだねず…

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