[PR]

 北海道別海町の野付半島で、別の雄ジカの角を絡めたまま下草を食べている雄ジカを、道東を拠点に活動する自然写真家、金杉恵子さんが撮影した。

 撮影は2月14日。エゾシカの生態に詳しい研究者によると、繁殖期の秋に雄同士で角を突き合わせ、角が外れなくなったようだ。相手が死んで胴体が朽ちて落ちても外れず、残った頭部をつけたまま越冬しているとみられる。インターネット上では昨年暮れごろから、このシカが話題になっていた。

 100キロ以上ある相手の胴体を長い時間引きずりながら、エサを食べていたと思われる。角が外れず、ともに衰弱死した例があるだけに、研究者は「驚きと、すごい生命力を感じる。人間を含めて外敵が少ない野付だからこそ、生き延びられたのではないか」。金杉さんは「自然の過酷さと壮絶な雄ジカの生き様を感じる。ぶら下げた角はまさに勲章」という。

 いまの角は春の生え変わりで抜け落ちるので、それまでの辛抱だ。(奈良山雅俊)