原子炉建屋 壁の傷痕は何を語る? 福島第一原発を歩く

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伊藤進之介

拡大する写真・図版津波の傷痕と、事故後間もなく散布された放射性物質の飛散防止剤の跡が残る3号機北面の壁。測量の跡も読み取れた=2021年2月1日午後、福島県大熊町、伊藤進之介撮影

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 事故から10年が経とうとする今、この壁は何を意味するのか。

 2月1日、撮影のため東京電力福島第一原発に入った。3号機の原子炉建屋北面にこの壁があった。

拡大する写真・図版3号機原子炉建屋の北面には、事故当時のまま鉄骨などがむき出しになった壁が残っていた

 コンクリートの壁表面には、無数の傷と吹きつけられた放射性物質の飛散防止剤の痕、事故後の測量で記された数値や記号があった。高さ約15メートルの津波の威力と、現場でのこれまでの作業を想像させられた。

拡大する写真・図版3、4号機タービン建屋と海の間を歩く作業員たち

 構内は現在、汚染レベルの高い順に、R(レッド)、Y(イエロー)、G(グリーン)の3ゾーンに区分されている。防護服なしで動けるGゾーンのみを歩く4時間ほどの取材中、わずか数メートル先のYゾーンに見えた作業員40人ほどの動作が脳裏に焼き付いている。

拡大する写真・図版4号機原子炉建屋の前で、作業工程について話す作業員たち

 3号機タービン建屋の近くでは、配管を整備する作業員が全面マスクをかぶり側溝にもぐっていた。原子炉建屋内のがれき撤去の準備が進む1号機の脇では、防護服の上に安全帯を締めた作業員が大型クレーンのフックにワイヤを引っかけていた。

拡大する写真・図版3号機付近のGゾーンに置かれた長靴。作業員たちは放射線量が高いYゾーンへ入る際、黄色の長靴に履き替える

 取材中の放射線量は、高い場…

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