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 東京オリンピック(五輪)に向け、機運向上をめざす聖火リレーのスタートまで25日であと1カ月。大会組織委員会がこの日公表した新型コロナ対策は、祝祭感を維持しながら、ランナーや沿道の観客が感染を広げないよう配慮した。ただ、詳細は現場の自治体などに委ねられた面もあり、戸惑いの声も上がる。

祝祭感出しつつ「安全最優先」

 「安全最優先で進めることが重要だ。ランナーの健康観察、スタッフの行動管理の徹底はもちろん、沿道の密集を回避する」

 会見で、組織委の橋本聖子会長は強調した。

 リレーは福島県を3月25日に出発し、開会式の7月23日まで121日間、約1万人が全国859市区町村を巡る。組織委だけで400人以上が携わり、感染対策は大きな課題だ。

 感染が続くなか、組織委は一時、「観覧自粛」も検討したが、大会への機運を高めることがリレーの目的のため、「無観客」は避けたかった。都道府県境を越えた移動を控えるよう求めつつ、マスク着用での応援を求めるなどの対策は、機運醸成と感染防止の両立をはかろうとしたものだ。

 しかし、リレーで感染が広がることになれば、大会自体への批判が高まりかねない。組織委は沿道が過密になった場合、リレーの中断も検討する。著名人にはできるだけ観客を制限できる競技場などを走ってもらう。

 沿道では、車列のほか警備員から、密にならないよう注意喚起を呼びかける予定だ。ただ、「密」の判断は現場に委ねられる面がありそうだ。担当者は「道路状況などは千差万別で、一概に基準は申し上げにくい」としている。

 今後の感染状況によっては影響が出る可能性もある。実施地域に緊急事態宣言が出た場合、公道でのリレーが中止される可能性もある。1カ月前と2週間前に自治体と協議し、最終判断する。序盤の福島や栃木、群馬、長野の4県は公道でリレーを行う予定だが、栃木県は県内全域で不要不急の外出自粛要請が出されており、現時点では最終判断を保留している。

自治体に任された感染防止の具体策

 開始1カ月前になってようやく示された感染対策。「どう周知すれば」と自治体から困惑の声も漏れる。

 聖火リレーの出発地となる福島県。初日の3月25日、最後に聖火の到着を祝う式典は、伝統の祭り「相馬野馬追(のまおい)」の主会場「雲雀ケ原(ひばりがはら)祭場地」(南相馬市)で行われる予定だ。会場では騎馬武者20騎が聖火ランナーを迎えるセレモニーも検討する。

 延期前の計画では3千人の来場を想定していたが、急きょ事前の申込制で人数を減らすことを25日、明らかにした。県の佐藤隆広オリンピック・パラリンピック推進室長は「観客同士が距離を保てるように感染対策を十分にして、人数やセレモニーの詳しい内容は近く公表したい」と話した。

 同月28日に通過する栃木県茂木(もてぎ)町には、聖火ランナーが真岡鉄道「SLもおか」と並走する地点がある。一番の見せ場と期待は高かったが、コロナ禍で一変した。

 SLがランナーを追い抜くのはほんの一瞬で、「聖火とSL」の構図が見られるのは約20メートルの区間のみ。町は観覧や撮影について「規制はかけられない」との立場だが、組織委は密集が避けられなければ、リレー中止も検討する構えだ。当日は町職員とボランティア約100人が沿道や線路脇で警備にあたる。

 歩道がないため、町は鉄道マニアに撮影の場所取りを控えるよう呼びかけることにした。担当者は「地域を盛り上げる試みなのに『集まらないで』と言わなければならない」と困惑していた。

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