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 【茨城】障害のある子どもを育てる家庭で、介助する家族が新型コロナウイルスに感染して入院が必要になったら――。地域社会の課題解決に取り組む団体が、子どもらが隔離期間を過ごす「1人用避難シェルター」の開発を目指し、クラウドファンディング(CF)を始めた。

 支援を呼びかけているのは、一般社団法人「協働プラットフォーム」(東京)。トラックの荷台で運べる移動式木造住宅(ムービングハウス)を被災地に届ける活動に関わり、協力団体がムービングハウスでつくったホテル「スタンバイリーグさかい」を茨城県境町で運営する。

 両方の代表をつとめる長坂俊成・立教大教授(同県つくば市在住)によると、1人用シェルターを思い立ったきっかけは、これまでの被災地支援活動だ。

 酸素吸入やたんの吸引など特別な医療ケアを必要とする子どもたちや集団行動になじみづらい発達障害の子どもたちは、避難所を利用するのにハードルが高い。支援団体から「身を寄せられる個室があると助かる」という要望が寄せられていた。

 災害にたとえられるコロナ禍も状況は似ている。家族の感染で障害のある子どもたちが濃厚接触者となったとしても、医療・福祉施設で受け入れてもらえないリスクがある。自宅などで1人で隔離生活を送ることも難しい。「小型シェルターがあれば、施設の敷地に臨時で置ける。子どもたちはケアを受けながら、経過観察をしてもらえる可能性があるのではないか」と長坂さんは考えた。

 計画では、縦横2・4メートル、奥行き3メートルの小型のムービングハウスをつくり、太陽光パネルと蓄電池を備え付けて電源を確保する。木材パネルを使って断熱性や耐震性を高めるため、プレハブなどと比べて快適に過ごせるという。

 CFでは、目標額として150万円を掲げ、運搬に耐える太陽光パネルの設置方法や建材とする木製パネルを長期間利用する技術の検証などにあてる。3月中に試作品をつくり、完成品は代理店を通じて販売とレンタルを考えている。

 これまでのムービングハウスは、各地にホテルなどの形で「備蓄」をしておき、自然災害などが起きたら解体して被災地に送る形をとってきた。今回の1人用避難シェルターも、普段は一般の人たちに趣味の部屋などとして使ってもらい、いざというときに提供してもらう構想だという。

 長坂さんは「開発資金を広く呼びかけるのは、障害児のいる家庭の課題を多くの人に知ってもらうため。支え合う社会づくりに積極的に参加してほしい」と話している。

 支援金はCFのサイト「A―port」(https://a-port.asahi.com/projects/mobileclt-solocube/)別ウインドウで開きますで4月30日まで受け付けている。(庄司直樹)