渋沢栄一と群馬の養蚕、富岡の「セカイト」で企画展

森岡航平
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 【群馬】2月から放送が始まったNHK大河ドラマ「青天を衝(つ)け」の主人公、渋沢栄一(1840~1931)が設立に尽力した富岡製糸場富岡市富岡)は2014年、世界文化遺産となった。製糸場から約500メートルの県立世界遺産センター(セカイト)では、渋沢と県内養蚕業との関わりを紹介する企画展が5月30日まで開かれている。

 明治政府から役人に任命された渋沢は、1870(明治3)年に生糸生産のための官営模範工場の建設が決まると、初代首相となる伊藤博文らとともに計画を練った。渋沢は富岡製糸場の設置主任の一人となり、フランス人技師のポール・ブリューナとの契約などに携わったという。

 初代場長となった尾高惇忠(じゅんちゅう、1830~1901)は渋沢のいとこで、渋沢が学問の師と仰いだ人物。渋沢の招きで建設予定地の選定や資材の調達など計画当初から関わった。

 展示では、伊勢崎市境島村の蚕種業者らが設立した養蚕業では日本初となる株式会社「島村勧業会社」の定款の草案を渋沢が作成し、初代社長で親戚関係にあった田島武平(1833~1910)に宛てた書簡なども展示している。

 展示の担当者は「1万円札の肖像画になることも決まり、改めて注目されている。これを機に世界遺産になった群馬の養蚕の歴史や魅力を知ってほしい」と話す。3~5月は最終水曜のみ休館。問い合わせは同センター(0274・67・7821)。

 渋沢が生まれ育った埼玉県深谷市の深谷公民館では、ドラマのロケセットなどを再現した大河ドラマ館が16日にオープンした。渋沢の生家などを再現したセットや小道具、衣装などが見学できる。展示は来年1月10日までで、無休。

 深谷市血洗島にある渋沢の生地・旧渋沢邸「中の家(なかんち)」では13日から、80代の渋沢をイメージしたアンドロイド(人間型ロボット)が公開されている。和服姿で座布団に正座し、わずかに表情を変化させながら見学者を迎える。深谷市下手計の渋沢栄一記念館でも昨年7月から70代の渋沢を模した背広姿のアンドロイドが展示されている。見学はいずれも事前予約制だが、新型コロナウイルスの感染状況で対応が変わるため、詳しくは記念館の電話(048・587・1100)かホームページ(http://www.city.fukaya.saitama.jp/shibusawa_eiichi/別ウインドウで開きます)で確認が必要。(森岡航平)